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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 138

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ザラターンの冒険日誌

2026-01-17 22:09:13.0 2026-01-17 23:50:22.0テーマ:その他

サバの味噌煮(2)(※ver7.2までのネタバレ注意)

『 いいかお前ら。
  アストルティアの数少ねェ良い所は、
  飯が美味いこと、だ。
  そしてその中でも、
  このエルトナ料理こそが至高!
 

…昼時のアズランの町。
その一角にある、魚の焼ける香ばしい香漂う 
とある食堂に、多少の酒が入った魔族の、
興奮気味な高説が響き渡っている。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 そして…!
  エルトナ料理を至高たらしめているのが!
  このマメ…『大豆』だッ!!


ツキモリは鋭い目を
『カッ!』と平行四辺形に見開くと、
煮豆を一粒、箸で掴んで
席から勢い良く立ち上がった。


この魔族、普段はローテンションで
アンニュイ気味な性格のだが…

実はわりとグルメな気質があるようで、
自分の好物や、珍しい食べ物を目の前にすると、
今のように昂ぶりを抑えられなくなるらしい。
最近分かってきた、意外な一面である。


『 例えば…大豆を使った調味料…!
  『味噌』を使ったこのスープ!
  『オミソシール』だッ!!

  見ろ、このスープに入ってる
 『オトーフ』も!『オアゲ』もッ!
  全部、大豆から出来てやがんだぜ!?

  大豆の汁に、大豆と大豆ぶち込んで
  食ってやがんだ…!
  なあクレイジーだろ…?
  エルトナの奴らはッ!!


おれとエスタータは生暖かい目でそれを聞き流し、
ツキモリにもエルトナ料理にもまだ慣れていない
クーとアレナが固唾を飲んで見守る中、
当の魔族は、まるで宝石を見るような恍惚とした顔でスープの入った深皿…『お椀』を
授かり物のように天に掲げるのだった。

どうやら、『クレイジー』は、奴にとって
最大級の褒め言葉に該当するらしい。


『 おい、ちゃんと聞いてたか赤毛!


味噌汁をひと啜りした後、ツキモリは
座った目で錬金術師に絡み始めた。


( おいおい、付き合いも浅いアレナに
  ウザ絡みすんなよ…!


さすがにコレは止めに入らねば、と、
おれは身構えた。のだがー…


『 勿論ですッ!


アレナはツキモリと同じく味噌汁を啜ると、
意外にも威勢良く魔族に応じるのだった。


『 このスープ…!
  お味噌の風味とお味は、
  とても興味深いです…!

  煮込んだマメ…大豆?を潰して、
  お塩で和えて熟成…ううん、
  お塩だけではこの芳醇な風味とコクは
  引き出せない…!

  他に何か、錬成の決め手となる素材と
  あとはきっと黄金の配合比が…!


…錬金術師は眼鏡の位置を直しながら、
ぶつぶつと早口で何かを呟きはじめる。


『 お、おぅ…!
  結構、み、見どころあるな、お前…


魔族を含めた一同…
ひとり、光の速さで考察の世界へと旅立ってしまった彼女を、ただポカンと見守るのだった。


( そうだった。そういやそういう子だった、
  アレナはー…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


ゼニアスの旅を中断し、
急ぎ、エテーネ王国に舞い戻って来た時。
アレナは変わらず、
あの日地図に記された錬金工房に居た。

だが当時のおれ同様、
彼女自身、その身に何が降り掛かっていたのかまではよく解っておらず…


“ 式典のあったあの日から、ずっと。
  ただひたすら、真っ暗な空間を
  歩いていたような気がします。“


彼女は、ポツリとそう語った。

それは一瞬だったようにも、
とても長い間彷徨っていたようにも感じられ…
いつしか歩き疲れて気を失い…ふと気がつくと、
元いた場所へと帰還していたらしい。


『全ては悪い夢だったのかもしれない』。


そう笑うアレナだったが、
それでは、おれ側の説明がつかない。


彼女の存在が、我が記憶からすっぽりと
抜け落ちてしまっていた事もそうなのだが…他にも。
例えば、彼女から『お土産に』と貰った、
錬金術で作られた、手製の砂時計。

おれは長い間、それを何故か、
『 式典会場で配布されていた物 』と
錯覚して記憶していたのだ。


( 記憶の喪失どころか、改竄までされている。
  一体何故、こんな事になっている?
  おれの頭、どうしちまったんだ…?


…己の記憶すら信じられなくなり、
おれの頭は当時、混乱を極めていた。
そんな最中。

おれ達に…いや、正確にはアレナに。
意外な人物からコンタクトが入る事になる。


声を掛けてきたその人物の名はー…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


【 パドレ卿 】。


旧体制のエテーネ王国での、言わば王族であり、
現エテーネ代表である、メレアーデ女史の
叔父にあたる人物だった。


~つづく~
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