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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 140

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ザラターンの冒険日誌

2026-03-21 22:53:08.0 2026-03-22 14:18:43.0テーマ:その他

サバの味噌煮(11)(※ver7.2までのネタバレ注意)

アレナと別れた おれ達は、その足で
淡い陽光の下、大エテーネ島を往く。

意外にも、煌びやかな王都キィンベルを背に
少しばかり歩き出せばすぐに、緑豊かな原野や、
肥沃な湿地帯の風景が おれ達を迎えてくれた。


『 隆盛を極めた古代王国ってヤツでも、
  別に郊外まで都会だったって
  ワケでもないんだな。

『 ね。ちょっと意外。


我々現代の冒険者から見ても、
どこか安心するような風の匂いと、
この牧歌的な風景に当てられてか、
エスタータが一つ、呑気に大あくびをした。

それを横目に、おれも頭の後ろで手を組んで、
ゆっくりと流れる雲を仰ぎながら、
これからの身の振り方を考える。


『 さて…
  ぼちぼち、クーの記憶探しを再開、だな。

  だけども『こっち』じゃ結局、
  手がかりは見つからなかったし…
  もう一度ゼニアスを洗い直してみるか?


燈火の調査隊は解散したものの、
先の創失騒動の折、ドゥラ院長からは一応、
必要に応じてのゼニアス入りの許可は貰ってはいる。
もっとも、色々と面倒な手続きや制約を
設けられた上の話ではあるがー…
ま、背に腹は代えられまい。
門前払いされないだけ
ありがたいと思うことにしよう。


『 その事、なんだけどさ…


…我が言葉に、ふとクーが足を止め、
こちらへと向き直る。
その顔つきは、少し神妙だった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 オレ、考えてたんだけど…

  
  記憶、さ。


  別に…みんなに苦労かけてまで、
  無理に取り戻さなくても…
  いいんじゃないかな、って。



『『  えっ…  』』



クーの突然の発言に、おれ達は驚いた。

やはり『己の為におれ達を付き合わせている』という負い目が、まだ拭い去れていないのだろうか。


『 おいおい、なんだ?
  今さら水臭いぜ。

『 そうだよ、あたしら別に苦労なんて!

『 あ、いや、違うんだ!
  ありがとう。

  でも別に…後ろ向きな話、
  ってワケじゃなくてさ…!


…当然のように突っかかる、鬼と吟遊詩人。

その反応を ある程度予測していたか。
慌てて両手を突き出して二人を制すと、
少年はゆっくりと語り始めたのだった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 ほら、こないだジュレットで
  あの不思議なロボット…
  パイセン?を見ててさ、思ったんだ。

  そうか、オレも…『カラッポ』に
  なっちゃってたんだな、って。


  でも…オレは運良く、みんなに拾われて。


  みんなと一緒に旅をして。
  冒険して…悪いヤツらと戦ったり、
  色んな所に行って、色んな景色を見て。

  みんなから色々教わったり、
  おいしい物食べたりもして…

  そんな毎日が、充実してて。…楽しくて。
  それで気付いたんだ。
  
  たとえカラッポになっても。

  そこから、少しずつでも。
  満たしていく事ならできるんだ、って。

  だからー…


そこまで語って、クーは言葉に詰まったようだ。
どうやら、己の中に秘めた感情を、
全部は上手く言葉に変換しきれないらしい。


( でもまあ…言いたい事は大体わかる。


彼の言葉は、もっともではある。

たとえ記憶が戻らなくとも、
前向きに新しい人生を歩んで行く事はできる。

逆に、失われた記憶が
悲惨なものだった可能性が無いとも言い切れない。
何が何でも取り戻す事が、
絶対の正解では無いかもしれないのだ。


…クーには剣の才能もあるから、
少なくとも、冒険稼業や傭兵、
討伐隊等を生業にすれば
食いっぱぐれる事もないだろう。

真面目で素直な子だし、記憶が無くたって、
十分にやっていけるはずだ。


( しかしー…


…おれが、心に引っ掛かった事を
言葉にしようとした、その瞬間だった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 …だから一生、記憶が戻らなくても
  別に困らねェ、って?


突如。
今の今まで、一切、会話に入ろうとしてこなかった
ツキモリが、口を開いた。

そのいつもの口調、仏頂面から、
奴の感情を読み取る事はできない。

おれはエスタータと顔を見合わせて肩をすくめると、ひとまずは、事の成り行きを
見守ることにしたのだった。


クーは、しどろもどろになりながらも、
懸命に言葉を紡ごうとする。

だがー…


『 オレ、オレはー…
『 却下だ。

『 え…?ぇえーッ!?


~つづく~
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