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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 140

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ザラターンの冒険日誌

2026-05-16 22:26:33.0 2026-05-17 20:09:41.0テーマ:その他

執行者(序章)(※ver7.3までのネタバレ注意)

底知れない、暗い暗い闇の中で。
『それ』は たゆたっていた。

オーガもかくやと云わんばかりの
その巨躯を覆うは、枯れ草色の、朽ちかけた長衣。
しかし、その長衣には袖が見当たらず…
裾から脚も出てはいない。
はたして、衣の内は、
ヒトのカタチをしているのかどうか。

…長衣の頭頂を突き破って天に伸びている、
竜の角とも昆虫の触覚とも取れるいびつな突起物が、そんな疑念を後押ししていた。

深く降ろしたフードの中は真黒な闇で、
その顔を、その感情を伺い知るのは難しい。

ただ。その暗黒の中で…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


赤い、赤い…まるで紅玉を思わせるような
その円らな相貌だけが。

煌々と、虚ろに揺らめいていた。



『それ』には、何を犠牲にしても成し遂げたい
大願があった。


しかし、同時に『それ』は理解していた。
事を成すに障害は多く、それらを取り除くには、
圧倒的にチカラが足りない。

そして何より…

己がこの暗闇から這い出で、
現世で活動できる時間には、
故あって、制限が科せられている。
だからー…


『それ』は、不自由な己の代わりに、
手足となって働く『分け身たる存在』を
創り出す事にしたのだった。


時は経ち。


天も地も無い、底知れぬ闇の中、
幾つかの白い影が浮かび上がる。

影達は、生まれ落ちるや否や、
たゆたう『それ』に、即座に跪いた。

彼らにとって、『それ』は造物主。親であり…
崇拝すべき唯一の、神に等しい存在であるがゆえに。

『 生まれた意味…
  理解しているな…?


紅い相貌が明滅すると同時に、
暗闇に、空気を震わせるような
低く、重い声が響く。

その言葉に静かに頷き、畏まる影達。


『 ゆけ……
  執行せよ……

『『『 はっ… 』』』


号令と共に、影達は瞬時に
この深い暗闇から姿を消すのだった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


散開した幾つかの影。その内の3つが、
魔界のとある大地に降り立っていた。


『 【ガンガブラ】は討たれた。
   もう、主の顔に泥を塗る失態は
   許されんぞ。


初めに口を開いたのは、3つの影の内の紅一点。
エナメル素材のような艶やかなドレスに身を包んだ、緑髪の女性だった。

人間型の魔族と、その身体的特徴こそ一致するが、
肌の色がオーガに近い赤みがかったもので、
人間とも魔族とも微妙に違った印象を受ける。

他の二人もまた、オーガやウェディ…
アストルティアに生きる種族と酷似はしているが
しかし…例えばヒレが無かったり、
肌の色が普通では有り得ない色だったり…
どこかしら違和感のある姿をしていた。


『 まずは手筈通り、
  ゼクレス魔導国へ向かい…


無感情のまま、エナメルドレスの女性は続ける。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 かの国の魔王を『創失』せしめる。

  その後のゼクレスの制御と情報収集は
  【ジブアジブ】、あんたに任せる…

  その間、私は…
  レ……バル…の制御を試みるとしよう。


ドレスの女性の言葉を受けて、
ジブアジブと呼ばれた、ウェディのような
しなやかな身体付きの男が気怠そうに向き直った。


『 おい、俺が貧乏くじ担当かよ、
  【ニニエルザ】…

『 そう言うな。
  全ては、我らが主の為に。

『 ち、面倒くせぇ…


それを言われると弱い、と言わんばかりに
ジブアジブは一つ、諦めの舌打ちをして、
今度は、もう一つの影…

…オーガのような体躯に、顔まで隠れた
全身鎧を着込んだ男…に、向き直った。


『 おい【新入り】。
  とりあえずお前は俺の指示に従え。
  …邪魔者を消す仕事をしてもらう。


鎧の大男は、『承知した』、と、短く応える。
その鉄仮面と抑揚の無い声色からは、
一切の感情が感じられない。

『同僚ながら得体の知れない奴だ』と、
ジブアジブは再び、面倒臭そうに唸るのだった。


『 よし…


話は終わり、とばかりに。
ドレスの女性…ニニエルザ…が、
自分の頬を、気合いを入れるかのように両手で叩く。
そして…
まるでそれが、スイッチになったかのように。


『 よぉ~し…♪
  お姉さん…頑張っちゃうわよぉー♪


ニニエルザは、
先程と打って変わり、底抜けに明るい
声を上げるや否や、不気味に微笑むのだった。


滅神が去り、大魔瘴期を乗り切った魔界に…
新たな影が忍び寄ろうとしていた。


~つづく~
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