ぶつぶつぶつぶつ…。
「こんにちは、グランマーズおばあちゃん! かわいい孫娘のウィルカが、“今日も”、ダークドレアムを倒しに来てあげたわよ♪ …あれ? さっきからなに『ぶつぶつ』言ってるの? おばあちゃん」
「うむ? おう、ウィルカか。…いやのう、最近おかしな客たちが、わしのところに頻繁に訪ねてくるようになってな。なんでも、キャロット占い? だか、『カードを使って魔法が使える占い師にしてほしい!』などと、妙ちくりんなことをわしに頼んでくるのじゃよ」
「ああ~、『タロット占い』ね♪ 最近、オルフェアの町に新しい『占いの館』がオープンしてね。そこに行けば、新しい職業の『占い師』になれるんだって。私も詳しくは知らないのだけど、魔法の代わりにタロットカードの力を借りていろんな術が使えるようになるらしいわよ」
「…ふん。タロイモカードかなんだか知らんが、そんな不確かな紙切れに頼ってなんになるのじゃ。宇宙の運行から叡智を導く占星術こそ、我ら魔女にふさわしい術なのじゃ」
「あら? タロットカードは、だたの紙切れではなくて、それ自体に魔力が秘められている神聖な触媒よ。そのときに必要とする相手を、術者の力を借りてカード自らが選ぶの。…ねえ、おばあちゃん。ちょうどいい機会だし、この店も占星術だけではやってゆけないかもしれないから、うちもタロットカード占いを新しく取り入れてみたら…」
「なにを言うかああああ! わしが信じるものは、この水晶球に映し出される未来だけじゃ! わしの店の売り上げなんぞを心配する暇があったら、“今日こそ”、ダークドレアムを倒してくるのじゃあ!」
はいは~い♪
(…私が「占い師」に転職してここに来たら、おばあちゃんに火あぶりにされてしまいそうね^^;)
…というわけで、カードとか集めるのも面倒くさいので(笑)、私は今流行の「占い師」は全くやってません。
この先も、タロットカードを使うことはないでしょうね。
だって私は、占い師ではなくて、グランマーズおばあちゃんの愛弟子の魔術師…「グランマーズの魔女」なのでね☆
魔女ウィルカは、古びた樫の木の杖とともに、生きてゆきます♪