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楽園の巫女

ウィルカ

[ウィルカ]

キャラID
: JL723-092
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 賢者
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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ウィルカの冒険日誌

2026-09-14 20:56:25.0 2026-09-14 23:43:19.0テーマ:その他

旧街道の怪 1『竹藪の中』

私には、いわゆる「霊感」と呼ばれるものはまったくないのですが、物心がついた幼いころから、「妙なもの」を見たり聴いたり、気配を感じたりすることが時々ありました。

その「妙なもの」は、あるときは夢だったり、音だったり、理解不能なものだったり、はっきりとそれだとわかる声だったときもありました。

大人になるにつれて、声や音は聴こえなくなりましたが、「奇怪な現象」は今でもまれに起こることがあって、「妙なもの」の気配は相変わらず私の身の周りに存在しています。

「妙なもの」とは、いったい何なのか。
その気配は、物怪(もののけ)のようでもあり、妖怪のようでもあり、「神さま」のようにも感じます。 …今からもう、何十年も昔のお話です。

当時5歳だった私は、生まれた神戸の街から少し西にある、播磨国の「印南野(いなみの)」と呼ばれる地方に引っ越してきました。

印南野は、古くからの書物には「伊奈美野」や「稲日野」とも記されていて、古墳時代の豪族の遺跡などが数多く点在している地域です。

また、『古事記』と『日本書紀』に登場する、「日本武尊(やまとたけるのみこと)」が産まれた地だとも伝えられていて、日本武尊の母である「播磨稲日大郎姫(はりまのいなびのおおいらつめ)」のものとされる陵墓と、祭神としてお祀りされている神社も近くに鎮座しています。

そういえばこの『ドラゴンクエストⅩ』にも、「イナミノ街道」というエルフの棲まう地が、エルトナ大陸にありますね。
単なる偶然なのでしょうか?

当時、私が暮らしていた実家は、「西国街道」と呼ばれる旧街道のすぐ近くに建っていました。
古くは万葉の時代から、そして近代まで、「天神さん」として人々から慕われている菅原道真公や、参勤交代の武士たち、それ以外にも数えきれないほどの名もなき人たちが通っただろう道。

その人たちの「念」が、今でも残っているのか。 そんな旧街道のすぐ傍らに、「竹藪」がありました。古い民家の背後にいつも見えていて、引っ越してきたときからずっと気になっていたのですが、幼い私は子供ながらに、なんとなくそこが「怖い」感じがして、いつもは近づいたりすることはありませんでした。

ある日のこと。

家の近くにあった「お地蔵さん」の公園のブランコで独り遊んでいた私は、いつもとは違う道を通って家に帰ることにしました。

今は市道となっている旧街道の脇道を入り、民家の路地裏を抜けると、あの「竹藪」がありました。
竹藪の正面は入り口がぽっかりと空いていて、奥へと続いている小径(こみち)が見えました。

中を覗いてみても、奥は薄暗くて、竹藪の向こうがどうなっているのかはわかりません。

中に、なにがあるんだろう?

怖くてそのまま通り過ぎようかとも思いましたが、そこにたどり着いたのもなにかの縁のような感じがして、恐怖心よりも好奇心のほうが勝った私は、勇気を出して竹藪の中に入ってみることにしました。

…中は薄暗かったものの、日の光が竹笹の合間から注いでいたので真っ暗ではありません。

さくさくさく

小径に落ちた枯れ笹を踏みしめる、小さな私の乾いた足音だけが聴こえていました。 それから、数分くらい歩いたでしょうか。
ふと視界が開けた目の前に、朱色の鳥居と小さな祠が建っているのが見えました。

それは、古い「お稲荷さん」でした。
もう何年もお参りしている人がいないのか、お稲荷さんを祀っている社(やしろ)はぼろぼろで、辺りの地面には壊れた神具がいくつも散乱していました。

祠の中身は、どうなっているんだろう?

なんとなく気になった私は、恐る恐る近づいて、壊れた社の扉から「中」を除き込みました。

そこには、首と胴体が二つに千切れた「白狐」の置き物が一体、転がっていました。

「うわあああ!」

急に怖くなった私は、すぐ後ろに見えていた入り口に向かって走り出し、逃げるようにして竹藪から離れました。 …それが「妙なもの」だったということを、あとになってから気がついたのです。

竹藪に入ったときは、入り口から奥まで「数分」歩いたのに、竹藪から出るときは「一瞬」だったことを。
道は一本道で、迷うことはありませんでした。

それから数十年が過ぎて。

当の「竹藪」に訪れてみましたが、社もなく更地になっていて、かつて竹藪だった面影もまったくありませんでした。

竹藪のあった土地は、横幅が12~13mほど、奥行きが15mほどで、子供の足で歩いたとしても「数分」もかかるような広さはありません。

いったい、あれは何だったんだろう。
今でも、わかりません。

※ちなみに、「お稲荷さん」でよく見かける「白狐」は、稲の神さまである「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」の遣いである神使(しんし)です。
狐の神さまを祀っているわけではありません。
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