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ぬくぬくどり

マメミム

[マメミム]

キャラID
: IB818-138
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 僧侶
レベル
: 133

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マメミムの冒険日誌

2023-12-12 17:11:05.0 2023-12-13 14:58:09.0テーマ:シナリオ・クエスト攻略

長文)ドラクエ10を代表する

ドラクエ10を代表するシナリオとボスはなんだといえば、旅芸人クエストで対決する闇芸人ルルルリーチで揺るがないというのはマメミムを含む最低ひとりが確信をもって断言することだ。シナリオのテーマでも完成度でも、ボスの存在感でも他を圧倒して比肩するものがない(それは言いすぎです)。

それが闇芸人ルルルリーチ。

マメちしきを引用すると、旅芸人ポルファンの兄弟子で天性の才能を持ってたけど、芸に強い憎しみをもって旅芸人をころそうとするようになった。誰よりもおもしろい芸が世間に認められず、絶望したのが闇芸人になった経緯だったという。一人称が「私」で知的な口調をした、外見はヤギ頭メッサーラの色違い。

チカラに善悪はなく、強いか弱いかどうかに本来価値はない。重要なことは他人のためにチカラを用いることができるかどうかで、チカラに溺れたものは闇に落ちる。それはたぶんドラクエ10のテーマのひとつで、強さを自分のためにしか使えなくなった者は狂戦士レギオンや死霊王ギスマイヤーになる。それは神様でも時渡りでも、ルルルリーチでも変わらない。

強くなったそのチカラを、敵を倒してウェーイというためだけに使うのならば、なかまを守ることを忘れるようになれば、彼らの姿はルルルリーチと変わるところがない。自分より劣るヤツをもてはやす連中が理解できないと罵りはじめれば、その先には闇芸人まっしぐらの道があるだけだ。

「私、嫌いなんですよ。
 くだらん芸をする、旅芸人っていうのがね。
 あれで笑える奴の神経が理解できない…」

旅芸人が、ではなく、くだらん芸をする旅芸人がと言っている。
彼はこうも言っていた。

「才能があったところで、世の中はそれを正しくは評価しませんよ。
 芸が認められなくとも、
 笑いの道を極められる旅芸人などいるはずもない」

それは本当にいま望まれているチカラだったのか。観客がルルルリーチに望んでいるのは、感心させられる話芸なんかじゃなくて、その強烈な外見を活かしたネタだったのではないか。というかありていに言ってルルルリーチが登場して格調高い話とか披露されたところで「え?その外見でアタマ芸しないの?」で終わるだろう。おめでとうと王冠を渡されて小さくてかぶれへんわー!とかやったり金メダルを渡されてアタマ通らへんわー!とか、そんなくだらん芸を才能ある彼はやりたくなかったんだろうなあとは思う。

余談だけど、夢現篇でピリッポが求めた笑いの極意書最終巻にはこう書かれていた。

「ユー、ありのままでゴーしちゃいなよ!」

自分らしさを捨てず、自分のためではなく誰かに望まれているチカラを使う。それが正しく評価されるかどうかなんて知ったことじゃない。言葉で書くよりもはるかにハードルが高い。これを実現できてようやくひとは闇にとらわれず極意に到達できるとは考えすぎだろうか。

もちろん考えすぎだよ!

それでも、この世界に求められているのは、せめて闇のチカラには溺れないでねということではないかと思うのだ。絶望したあげく、こいつらしねばいいのにとか考えたら、その瞬間キミの目の前にある鏡にはルルルリーチが立っている。評価されることもなく、自分らしさを貫いても誰も感謝しないかもしれない。それでいいじゃないかと言えればいい。

弟弟子ポルファンの信条は「芸は人を救える」だった。かつての旅芸人ルルルリーチは子供たちには評判が良かったともいわれている。ほんとうは、それこそがたいせつだった。ルルルリーチの芸を見たかったひとたちはまちがいなくいたのだから。

ところで。

シナリオボスとしての闇芸人ルルルリーチは、弟弟子ゲイザーと同じようにボケで笑わせることができた。闇に落ちて魔物と化したゲイザーさえ、魔物に生まれて闇に落ちたルルルリーチさえ笑いに対する完全耐性は持ってない。彼らには笑いを解する心が残っていた。

ドラクエは剣と魔法の世界じゃない。勇者と大魔王の話じゃない。チカラに溺れることがなく、自分らしく、ひとのためにチカラを使うことができるかどうか。なかまも敵も笑いのなんたるかを忘れない。このちょっぴりとぼけた世界こそが、ドラゴンクエストではないかと思ってる。

解放者としても。時渡りをしても。魔界に来ても。
たまに忘れられてないか心配になるけれど、この世界を救うのはいつだって「笑顔」のはずだ。

(追記)
 メギストリス城大使室に、ルルルリーチと思われる魔物についての記述がある。
 かつて彼は身体を張ったシュールな芸で
 子供たちを笑わせていたのだと。

 彼が「くだらん芸」を嫌うようになった理由は
 いまは推察するしかない。
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