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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2013-10-14 01:44:54.0 2013-10-14 02:16:38.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~最後の神話の戦い(1)【神話篇 ネタバレ有】

 心地よい潮風が、ヒレと肌をかすめて通り過ぎていく。薔薇の蔦が風に揺れ、入道雲はいつものごとくウェナの空にそびえたつ。ヴェリナード城の上層、謁見の間の正面に儲けられたシェルブリッジは、女王陛下が恵みの歌を届けるためのバルコニーに通じる一本道である。
 城下町を一望する値千金の景色は、ヴェリナードに仕える者たちの特権であり、またそれを守り抜くという責務の現れでもある。
 目の前に広がる美しい眺めが、ずっしりと肩にのしかかってくる。決戦は間近だった。  カミハルムイの一件を片付け、ヴェリナードに戻った私を待っていたのは、世告げの姫ロディアからの手紙だった。
 時は来たれり。今こそ戦いの時。短いその文面がすべてを告げていた。
 同じくロディアより戦いを任された時の王者たちが決戦に向けて動き出す。装備を整え、物資の補給を済ませる。
「では、心してな」
 アーベルク団長が言葉少なに見送る。私はゆっくりと頷く。
 魔法戦士団の一員として、無様な戦いはできない。そうつぶやく私に、メルー公は気楽な口調で言った。
「いやいや、多少無様でもいいのだよ。使命を果たし、守るべきものを守ることが真の魔法戦士の誇りだからね」
 その言葉を、私はこの戦いの中で何度も思い出すことになる。

 転移の輝石が閃き、シェルブリッジよりオルフェアへ。陸亀旅団の拠点、大陸亀亭に時の王者たちが集う。私が到着した時には、既に大半のメンバーがそろっていた。
 挨拶もほどほどに、作戦会議が始まる。  幻影の帝王との戦いの際にも共闘したZ団長はあれからパラディンとしての修業を積み、ハンマーの名手として同盟を率いる。
 同じくパラディンとして前線を担うのはミスターBDG。小柄なドワーフとは思えない重厚な装備に身を固め、一同の壁となるべく奮戦する。彼の冒険ぶりは笑い話と共に語られることが多いが、決戦に向けて入念な確認を怠らない、几帳面で生真面目な一面が印象的だった。
 粋な雨傘を掲げた旅団副長のAST殿と、私にとっては初めて同行することになるドワーフのMSB氏。洒落た眼鏡が特徴的だ。
 この二人は魔法使いとして攻撃の主軸を担うことになる。小さな体に秘めた魔力の大きさには驚かされる。
 そして暴君の幻影との戦いで共闘したエルフのα氏。前回の帝王との戦いでも癒し手を担ったオーガの淑女H氏。既に先行して帝王との戦いを経験していた彼女らは作戦会議中から皆を引っ張る役を担っていた。
 さらには、怪蟲や天魔の幻影を相手に肩を並べて戦った私と同じウェディのMM氏。この3人が僧侶としてパーティを支える。
 こんな時にも仮装用の衣装を用意してで笑いをとるMM氏のしたたかさには、ある種の敬意を抱かざるを得なかった。

 これが今回の同盟。Z氏を中心に、帝王との戦いに向けた偵察行、との名目で集まった我々だが、これだけの実力者が一堂に会する機会など、そうそうあるものではない。物見遊山で行くつもりは毛頭なかった。恐らく、そう考えていたのは私だけではあるまい。
 自らは死力を尽くし、しかし周囲にはプレッシャーを与えぬため、あくまで偵察、と笑顔を見せる。
 決戦を前に私が見たのは、そんな優しくも頼もしい冒険者たちの姿だった。

 なお、私は戦士と魔法戦士の2案あったが、相談の結果、魔法戦士として戦うことに決まった。が、しかし。見ての通り魔法を主体としたパーティ同盟に、バイキルトは重要ではない。自然と手が空くことが増えるはずだ。
 事前に買い込んだ20個の賢者の聖水、100を超える魔法の聖水、世界樹の雫が5つ。世界樹の葉は9。万全とはいえないが、これを最大限に活用することになるだろう。
 鬨の声を上げ、我々は闇の溢る世界へと乗り込む。ロディアの祈りを背に、決戦への道行きが始まった。  闇の溢る世界。ここを守る魔物たちも、既に戦いに倦んでいたのか。半数近い魔物が戦わずして去っていった。
 その姿はまるで、帝王自らが道を開いているかのようである。
 ロディアに聞いた、あの少年のことを思い出す。
 少年の意思。そして帝王の意思。あの時、私の想像したことが正しいとすれば、その二つは半ば重なり、半ばは反発し合っているだろう。
 必死の抵抗を見せる残り半数の魔物たちは、その憶測を肯定しているかのようだった。

 やがて幻影が鎮座する帝王の玉座へとたどり着く。
 ここにいる全員にとって、一度は勝利した相手だが、気を抜ける相手でもなかった。
 その重厚感は、未だ幻影とは信じられぬほどのものである。
 金色の巨体が剣を振りかざす。激しすぎる前哨戦が始まった。
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