目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}{{ optionalYear }}
    {{ entryTitle }}  {{ charaName }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}
    {{ charaName }}

ミラージュの冒険日誌

2021-07-18 18:31:36.0 テーマ:その他

ツスクルの日(2/2)~なりきり冒険日誌【注:ver5.5前期に関する記述有】

 草虫がしんしんと夜を奏でる。
 月明かりが、木々の間から零れ落ちる。
 私は夜食をつまみ、武具の手入れをするふりをしつつ、どんな言葉をかけるべきか、考えていた。  白々しいほど澄み切った夜空に星が輝く。青々とした木々の枝が、その空をかき乱すかのように揺れた。星々は微動だにせず、泰然とそれを見下ろす。
 だが明日、ひとつの星が落ちる。リルリラは空を見上げた。零れ落ちるものに抗うように。

 思えばむごい話だ。彼女は既に一度、別れを済ませている。
 巫女ヒメアが最初の生を終えた"花開きの聖祭"の少し前、別離の茶をかわし、それで終わったはずだったのだ。
 それが思いがけない奇跡に助けられ、今しばしの生を得た。
 そして今宵、二度目の別れだ。

『神も残酷なことをする』

 リルリラの胸にエルドナ神の聖印が輝くのを見て、私は恨み言の一つも言いたい気分になった。
 ……が、そんな言葉を彼女は望むまい。胸の内に詰まった空気を吐き出すと、夜がそれを包み込んだ。私は再び彼女を見た。  正しい言葉ならいくつも浮かんだ。たとえ辛くとも傍にいてやるべきだ。もう時間がない。明日では遅い。師を想うならば……。
 そんな台詞が何になる? 彼女自身が一番わかっていることだ。
 私は100の言葉を思い浮かべて、何も言わず、彼女の頭に手を置いた。リルリラは身体を傾けて、私の掌に頭をこすりつけた。
 エルフの背中が微かに震えた。そして、大きく息を吸い込んで膨らんだ。ゆっくりと吐き出し、また小さくなる。
 深呼吸をするように、しばらくそれが続いた。
 リルリラが小さな拳を握り締め、体に力を込めた。
 ……立ち上がれず、また拳を開く。
 私は何も言わず、ただそれを見ていた。掌に少し、熱がこもった。
 必要なのは言葉よりも時間と、その時間を共にする誰か。そういうこともあるはずだ。
 だが、それでも……
 急造のやぐらが風に揺れた。
 言葉をかける勇気のなさが、そう思わせただけではないかという怖れは、確かにあったのだ。
 
 やがて……

「………ン!」

 何度目かの深呼吸の末、殊更にわざとらしく両手を振り上げて、彼女は立ち上がった。

「よし!」
「行くのか」
「うん」
「そうか」

 こっちは任せろと、と私は拳を握り締めた。彼女も握りこぶしでそれに応え、やぐらを半ば飛び降りた。

『結局、何も言えなかったか』

 私はやや唸った。友人として、私のやるべきことはこれでよかったのか?
 夜の空気が胸の隙間に忍び込もうとした瞬間、

「ミラージュ」

 と、彼女はこちらを振り返った。

「……ありがとう」

 私が返事をするより早く、彼女は進路に向き直り、軽快に走り出していた。
 遠く揺れる夜の灯火とエルフの後ろ姿が重なり、やがて木々の中に溶けていった。
 私はその景色を、守らねばならない。

 その直後。
 示し合わせたように鳴子が鳴った。敵影接近!
 私は弓矢を手に取り、宵闇の彼方へと狙いを定めた。
 場違いなまでに色鮮やかなスライムタワーの影が、闇夜の中に次々と浮かび上がる。その能天気な姿に私は舌打ちした。

「空気の読めん連中め!」

 ギリギリと弓を引き絞る。獰猛な矢じりが鋭利な光を放った。
 ……リルリラの分まで、八つ当たりをさせてもらう!
 弦が弾ける。泣くような声を上げて、矢が夜空を切り裂いた。  ***

 あくる日。
 巫女ヒメアは僅かな供を連れ、世界樹の丘へと旅立った。
 リルリラはただ無言でこうべを垂れ、その背中を見送った。
 全ての者が同じようにしていた。
 朝日に濡れた世界樹の輝きが、空からこぼれ落ちるようだった。
 魔王ユシュカと勇者の盟友がツスクルに到着したのは、それから数刻後のことである。
 かくして、運命は動き始めた。
いいね! 16 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる