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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
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ミラージュの冒険日誌

2021-12-31 22:29:14.0 2021-12-31 22:58:22.0テーマ:その他

海賊と冬の陽炎(3)~なりきり冒険日誌【※海賊クエストに関する記述あり】

 洋上。
 陽光が波に跳ね返る。
 ゲルト海峡を通過する大陸間鉄道を下から見上げ、ゆらりと揺れる海のリズムに身を委ねる。
 甲板からはプクリポ達の気楽な歌声が聞こえてきた。 「僕は~海賊~なのだ~♪ 海の~男~なのだ~♪」

 これは伝説の海賊カジリアッチ3世がいつも口ずさんでいたという有名な歌である。

「俺たちゃ海賊♪ 俺たちゃ海賊♪」

 と、オーガが歌う別の歌が混ざり始める。

「キャプテンキッド! 君の夢をっ♪ 捕まえにっ、僕は行くさ~♪」

 合唱まで始まった。賑やかな限りである。
 だが彼らは合唱団ではない。ただの船乗りでもない。
 頭に巻いたピュアブルーのバンダナ、屈強な二の腕。潮風に立ち向かう精悍な眼差し。腰には短銃、手斧か短剣、はたまたブーメラン。設置された小型カノン砲が誇らしげに砲身を輝かせる。

「野郎ども、準備はいいか!」

 眼帯に海賊帽、顎髭を蓄えた人間族のマドロック船長が号令をかけると、船中から歓声が上がる。  調子に乗ったプクリポがもう一つ号令をかけた。

「尻尾をたてろーーー!」

 従うことができたのはオーガとプクリポだけだった。笑いが渦巻く。
 これがマドロック海賊団。私の調査対象である。

「おもかじヨーソロー!」

 はしゃいだ声を上げるのは私の相棒、エルフのリルリラだ。一般冒険者に偽装するため、彼女にも協力してもらった。
 操舵手がすぐさまツッコミを入れる。

「イヤおもかじは右、ヨーソローはまっすぐだから! おもかじヨーソローだと意味わかんねえだろ!」
「へー、ただの掛け声じゃなかったんだ!」

 こういう間の抜けたことをやってくれると、相手の警戒心が薄れて大変よろしい。私は傍に寄り、苦笑しながら彼女の頭に手を当てた。

「すみません、ちゃんと勉強させます」
「形から入るタイプです!」

 彼女はくるりと1回転して衣装を披露した。上は白と青のセーラー服。腰には赤いサッシュ、青いズボン。海兵をモチーフにしたらしい。
「……海兵と海賊は真逆じゃないのか?」
「そうだっけ?」

 エルフは首をかしげた。……ま、深くは追及するまい。
 一方、首をかしげているのがもう一人。いや一匹。

「尻尾はいつまで立ててればいいのニャ?」

 猫魔道のニャルベルトが自分の尻尾と向き合っていた。タコメットがちょいとそれをつつく。人から魔物まで、バリエーション豊かな海賊団である。  そんなマドロック海賊団の、今回のお目当ては……

「行方不明になった商船の救出だ!」

 船長が宣言する。船内の面々は、拳を突き上げたのが半分、肩をがっくり落としたのが半分だ。

「おいおい、また海上警備隊の真似事かい?」

 不満もあらわに甲板を駆けあがったのは副船長のフレンジーだった。

「いつからウチらはボランティア団体になったんだ。海賊だろ!」

 マドロック船長は苦い顔をしたが、何人かが彼女に同調する。

「ここんとこ、そんな仕事ばっかだよな」
「もっと海賊らしいことやりたいよなあ」
「それなら」

 と、私はさりげない顔をして彼らに声をかけた。

「近くの港町から略奪でもやりますか」

 彼らはギョッとした顔で私を振り返った。ふむ、そういう反応か。

「ミラージュ」

 船長が足音を立てて近づいてきた。

「冗談でもそういう台詞は慎め。俺たちが掲げるのは自由と探索! 略奪やコロシはご法度だ!」
「存じております」

 私は肩をすくめる。船長は、やや大げさな身振りで全員を見渡すと声を張り上げた。

「新入りが多いからもう一度言っておく! 俺達は海賊と言ってもカタギに迷惑をかけるつもりはない! あくまでロマンと冒険を求める海の冒険者、それがマドロック海賊団だ!」

 拍手が上がった。プクリポが飛び跳ねる。

「おうよ、俺たちの目当てはお宝!ロマン!それだけさ!」
「宝の地図、半分は手に入ったしな」

 海賊たちの視線は船長の持つ地図に集まる。彼らが目下、目的としているのは「海神の秘宝」と呼ばれる伝説の財宝だ。これをめぐり、ハルバルド海賊団と争っている。
 どうにか地図の半分は手に入れたが、もう半分はハルバルドの手に……というわけだ。

「……で、ボランティアが海の冒険者の仕事かい。せっかく手に入った地図が泣いてるよ!」

 フレンジーがなおもくってかかる。船長は首を振った。

「今は迂闊に動くわけにはいかん。なにしろ……」

 と、私を一瞥する。眼帯の奥が鋭く光ったように見えた。

「……魔法戦士団も動いているようだからな」

 私は帽子のつばに手をかけながら薄く笑みを浮かべた。気づかれているか? だが別に構わない。

「ゲーダム、とか言いましたな、あの男」

 私はとぼけた顔でもう一人の魔法戦士の名を挙げるのだった。
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