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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2013-07-20 17:30:15.0 テーマ:その他

日誌を書いた!

なりきり冒険日誌~闇に眠りし王(3)

 戦いが始まる。号令のもと、時の王者たちが散開する。
 闇を割く轟音。帝王の一振りが一瞬のうちに誰かを葬り去った。ここまでは前回と同じだ。
 だが、決定的な違いがある。
 全員が戦況を冷静に受け止めていた。動揺はない。
 無論私も。
 これが災厄の王との戦いなのだと、誰もが理解していた。それだけでも、あの圧倒的敗北には意味があった。
 冷静にそれぞれが役割をこなし始める。
 私はピオリムの呪文を。僧侶たちは天使に語り掛け、あるいはスクルトを、蘇生を。
 剣も砕けよと戦士たちが奥義を尽くし、敵の力を奪う。

 キャンセラーたちの働きぶりは、素人目に見ても水際立ったものだった。
 ジゴスパークを、インドラの矢を、次々と封じ込める。苦し紛れに振るった剣閃が私を直撃したが、一撃だけならば辛うじて持ちこたえる。
 瀕死の重傷にうろたえることなく、瀕死で済んだことに安堵する。
 災厄の王との、これが戦い。
 緊張感の中にも、私は確かな手ごたえを感じていた。

 だが災厄の王も黙ってはいない。
 多くの攻撃を封じられながら、その力の片鱗を振りかざすだけで、次々と時の王者たちが倒れていく。
 立て直す僧侶たち。蘇生。強化が打ち消される。補助をもう一度。リビルド!
 私の意識は災厄の王自身よりも、パーティの仲間たちに向けられていた。
 帝王の相手は仲間たちに任せた。私は微力ながらそれを支える。
 目まぐるしく動く戦況の中、8人全員の状況を確認するのは容易なことではない。倒され、蘇ったものには再度のバイキルトを。魔力が枯れそうな者にはパサーを。賢者の聖水も惜しまず使う。いざとなれば、世界樹の葉もだ。

 天も貫けと、"鳥の王"が雄叫びを発する。激しい一喝に合わせ、攻め込むバトルマスター。一方その隙に僧侶は戦況を建て直す。
 だがキャンセラーの猛攻をかいくぐって、ついに最も恐るべき魔技が放たれる。それも立て続けに。
 辛うじて建て直せたのは神の気まぐれか、それとも癒し手たちの的確な判断か。
 戦況が混沌とする中、私は必死で戦場を見渡した。今、倒れたのは誰だ。今、蘇ったのは誰だ。バイキルトは行き渡っているか。魔力はどうか!?

 その時、帝王の赤い瞳が……その一つが私を一瞥した。
 来るか……? 一瞬、身構えるが、帝王は興味なさげに次のターゲットを探し始めた。
 災厄の王から見れば私など、足元をちょこまかと走る蟻にすぎないのだろう。
 好きにするがいい。お前を倒せるならば、私など蟻で結構だ。
 私にできることはいくつもない。誰もがそうだ。だからこそ、己の力量と役割に応じて一人一人が持てる力を尽くす。
 やがて帝王の金色の体が鈍い鉛の色に染まっていく。
「あと一息!」
 誰かが叫ぶ。
「ここで気を抜いちゃダメ!」
 別の誰かが警告する。
「おう!」
 私が答える。
 英雄の一行ですら、雄叫びを上げ、互いに檄を飛ばしながら戦線を築き上げている。
 私ごときが気を抜くなどありえないことだ。

 パーティの間を駆け巡ること二十刻。
 長い死闘の果てに、ついにその時が訪れた。
 耳をつんざく轟音と共に、閃光が帝王の体を貫く。
 一面の光の中、聞こえてくる柔らかな声。ロディア。

 我々は
 勝利を得たことを
 知った。
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