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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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ミラージュの冒険日誌

2026-06-14 20:21:30.0 テーマ:その他

宿屋スィーテの地図(3)~なりきり冒険日誌【注:ver7シリーズのストーリーに関する記述あり】

「コッケン様グッズ?」

 私は目を丸くした。黄金の鶏が目の前で光を放つ。
 スィーテは満面の笑みを浮かべ、細工物を並べ始めた。小物や彫像、布飾りに網細工。いずれもモチーフは鶏。
 ケージで眠る鶏たちも、ちょっと首を傾げたのではないか。

「コッケン様はメネトの守り神なんですよ」

 宿屋は赤い鶏冠を撫でながら言った。悪夢から村人を守る精霊のようなものらしい。言われてみれば村のあちこちに鶏を象った飾りがある。

「そっか」

 とリルリラは頷く。

「この村には神様がいるんだね」

 ランプに照らされたエルフの表情はどこか嬉しそうだった。ここはメネト。グランゼニスが神去る以前から眠り続けていた村だ。

「そこで! 霊験あらたか、ご利益満載のコッケン様グッズを作ってこの村の名物にしようと!」

 スィーテはぐっと拳を握り締める。名物で観光客を呼び寄せ、ついでに宿にも千客万来。商売繁盛間違いなし!
 掌の上で、コッケン様は呆けたような顔を浮かべていた。

「観光客って言ってもニャー」

 猫が少し白けた声をあげた。私もテーブルに肘をつき首を傾げた。
 滅びの大地ゼニアス。今のメネトに観光業が成り立つような基盤があるだろうか。果たして誰を呼び込み、誰に売り込むつもりなのやら……
「いえ、他にも生き延びた街があるって聞きますし、あなた方の故郷でもこっちの地方が話題になってるんでしょう? コレを目当てに人が来てくれればですね!」

 スィーテは興奮気味に語った。なにやら壮大な計画のようだ。私はふと、世界宿屋協会の入れ知恵を疑った。旅の途中で知り合ったコンシェルジュの顔を思い出す。
 うまく乗せられているのでなければいいが……。

「しかし」

 と、私はコッケン様をテーブルに座らせる。

「土産物にするなら量が必要だろう」
「そこなんですよ」

 スィーテは腕を組んだ。 

「元手にアテはあるんです。ただ、ちょっと行き詰ってまして……」
「アテって?」

 リルリラが首を傾げる。彼は得たりとばかりに懐から一枚の古びた羊皮紙を取り出した。
 バサリと広げる。古ぼけた地図の中央に、赤い×印。

「我が家の倉庫に眠っていた……宝の地図です!」

 猫とエルフが瞳を輝かせる。多分、私も。
 ……こうして、我々の"宝さがし"が始まった。

 *
 探索の第一歩は、地図自体の解読……いや、修復だった。何しろ相当の年代物で、大部分がシミやカビに覆われていたのである。
 この状態でわかるのは「ラランブラのどこかに何かがある」ということだけだろう。

「何もわからんのと同じだな……」
「しつこい汚れ、ガンコなシミ……そういう時は!」

 と、リルリラが紹介したのはドルワーム研究院出身の調査隊員、デイゴロだった。
 彼は物質の分解作用に関する研究を専門に行っている人物で、ゼニアスで発見された未知の成分を研究するため、調査隊に派遣されてきた。
 その研究成果を応用すれば、万能洗剤の出来上がり、というわけだ。
 色あせた地図がみるみるうちにかつての姿を取り戻していく。こびり付いた汚れと等高線が分離され、シミの向こうから河川と谷が鮮やかに蘇る。

「まるで魔法ですね」
「魔法じゃないから、誰にでも使えますよ」

 目を輝かせるスィーテに、研究員は瓶を振りながら胸を張るのだった。
 しかしよくこんな人物を知っていたものだ。私がリルリラに尋ねると、エルフは唇を尖らせ、じっとりした視線を私に浴びせた。

「そりゃーもう、お世話になりましたから」
「どういうことだ?」

 首を傾げる。エルフは拗ねたように私に羽を向けた。

「こないだ服が汚れた時、助けてもらったの!」

 ウッと言葉を詰まらせる。というのも、彼女の新品の服を汚してしまったのは、私だったからだ。
 私はその日の夕飯を奢ることになり、宿屋と猫も何故かその恩恵に預かった。おかげで私の財布はちょっぴり軽くなった。

「まあいいじゃないですか。お宝で埋め合わせれば」

 舌包みを打ちながらスィーテが笑う。この男、なかなか良い性格をしている。

「どのくらい分け前があるかわかんニャいけどニャー」

 猫が笑う。実際、古地図に記された宝など、金銭的な価値は怪しいものである。我々だってさほどアテにしていないし、別に付き合う義理もない。
 にも関わらずこうしてスィーテに協力しているのは、やはり宝探しというシチュエーション自体に心惹かれるものがあったからだ。
 第一、最近は調査隊としての任務ばかりで少々肩が凝っている。ここらで現地調査の名を借りて、気楽な探検を楽しんだって良いではないか……。女王陛下もお赦しになるであろう。多分。
 ゼニアスの木々が、呆れたように葉を揺らしていた。
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