ここはソーラリア峡谷E5、崩れた橋のある遺跡です。
ここで、あるパノラマ写真の撮影に成功しました。4枚のパノラマなので縦型ディスプレイで見ないと全体を一度に見ることはできないでしょう。

崩れた橋が画面左下に横たわっているのがわかります。わずかな隙間を縫うように伸びる道は、岩山の厳しさを物語っているようにも見えます。しかしここは両側に排水口が並び人工の滝の列が目を引くところであるにもかかわらず滝は写っていません。それにソーラリアにはもっと美しい場所がたくさんあります。美しさを犠牲にしてまでなにゆえここを撮ったのかというと、パノラマ撮影技術の極限に挑戦したかったのです。
最初の写真をごらんください。ここはソーラリア峡谷E5の崩れた橋の北側地点ですが、ここは「地面」と「隠し通路のある地下」の2階建てになっています。じつはパノラマの上の2枚は「地面」から撮影し、下の2枚は「地下」から撮影してそれぞれをつなげてまるで1地点から撮影したように見せている特殊なパノラマ写真なのです。
いままでのパノラマ写真はすべてひとつの地点からカメラの角度だけをずらして撮影しつなげたものでした。ただそれだとどうしても垂直線の歪みがさけられないのです。
「上下別々の場所から撮った写真をつなげてパノラマにすれば垂直線の歪みが解決するのではないか」…しかしそのためには適度な距離で垂直に離れた2地点が用意されていなければなりません。
候補に上がったのが、ジュレイダ連塔遺跡、古代オルセコ闘技場、妖精図書館、ダラリア砂岩遺跡でした。
すべての場所で撮影に挑戦しましたが、どうやってもキレイに写真をつなげることはできません。上下地点の距離と撮影対象までの距離の組み合わせがうまく合わなかったりよけいな物体が視界に入ったり…オルセコは障害物にさえぎられそもそも撮影ができませんでした。
ソーラリアでもC4で挑戦したのですが、だめでした。「このアイデアは不可能なのかな」と思いながらさまよっていたところ、E5で隠し通路へとおちる場所を見つけたのです。はずかしながらこれまでこの隠し通路には気づいていませんでした。
思いがけず見つけたこの2地点でためしたところ、見事に写真がつながり2地点パノラマが成功したのです。美しさはともかく、この方法が可能であることがわかっただけでも私には収穫でした。きっとこれからこの方法が可能な、そして素晴らしい風景が撮れる場所が見つかると信じています。一番期待しているのは聖堂なんですけどね。
さて、これまでパノラマ写真の技術と表現を追求して連続で投稿してきましたが、今回の作品でひとつの到達点に達したと思えました。ここでいったん区切りとし、他のシリーズの調査をする時間を作るため少しお休みをいただきます。ブログの方にはぼちぼちバックアップしていきますので、原寸大のパノラマ写真の迫力をひきつづきお楽しみください。