かるみんの冒険日誌

 完結してから時間も経ったのでようやく。ver6を一言で表現するなら、終わり悪ければ全て悪し。

 ver5がドラクエ10の中でを超えて、ドラクエ全作品の中でも最高傑作のひとつだと断言できるほど完璧な大団円を迎えたのに対して。どうしてこんな終わり方にしてしまったのかなと、そう思わざるを得ないver6でした。


 ver3なんかは、先の見える展開が同じように繰り返し＆ヒロインのはずのエステラがずっと他人行儀で。ストーリーがだいぶ不評でしたが、それでもver3.5はブオーン躍動怪獣大決戦で見どころたっぷり、敵のナドラガも最後は改心して主人公たちを認めて助けてくれる。終わり方はとても良くて、途中は確かにダレたけど終わりよければまあ良しだったなあって。そこそこ良い印象で、私は終わってます。


　はっきり言って、ver6自体はめちゃくちゃ面白かったです。各章20点x5の加点式で考えて良いなら、6.4までは最高だったから文句なしの満点80点で100点中80点。余裕でver3と4の総合点を私の中では超えてます。

 でもね、人間の感情ってテストの採点じゃないわけですよ。最後の大問が何一つ解けてなくても、苦手な科目が壊滅してても、他でカバーして総合点が超えてたら合格ってわけにはいきません。

 終わり良ければ全て良し、って慣用句があることがそれを証明していますよね。人間の感情や印象って、それほど影響が大きいものってことです。終わり方だけが悪かった、でも全体的には良かったよね、なんてなかなか綺麗に割り切れません。

 終わり方が悪かっただけで、全てが水の泡といっても決して過剰な表現ではありません。画竜点睛を欠くとも言えるでしょう。それだけに残念でした。

 

　私はドラクエ10のストーリーやキャラが好きで、細かい設定や資料集もよく見返しています。ver6が発表される前から、歴代の大魔王と戦った勇者ってどんな勇者だったんだろう？とか、こんな強い聖守護者相手に勝ったラダガードやガラテアって何者！？とか。散々想像していましたから、いざ6が発表されたときにはそりゃあ歓喜しましたよ。

 実際の物語も、すごく丁寧にキャラの背景や歴史を描写してくれて。ずっと気になってたものが知れて大満足。なんか天使たちが傲慢で目の上のたんこぶだなと不快感こそありましたが、それを補って余るほど良い収穫がありました。

 ver6.3で英雄一同大集結したときには、すっごく大興奮したし。ver6.4なんか、各章ごとの細かい区分けでの評価をするなら、私の中ではドラクエ10史上最高傑作でしたよ。チムメンのマルちゃんともパドレの復活やレクタリスについていっぱい語り合いました。


 そんな中でのこのラストですからね。がっかりもします。まず、ver6はジアクト勢力に全く魅力がなかった。ジャゴヌバはver1から描かれ続けたラスボスで存在感すごかったし。ネルゲル様なんか、素晴らしいビジュアルも相まってカルト的な人気がありますしね。ラスボスに魅了がなかったのはver4と同じですが、ver4はキュロノス以外は魅力ある敵もいたからね。


 敵側勢力に魅了がない上に、味方陣営のはずの天使への心象が最悪だし。唯一心の拠り所だった英雄たちが雑に使い潰されていったラストで、不満が限界に達するのは当然だと思います。

 散っていった英雄たちの中で、私が納得できる死に方だったのは真面目にハクオウだけですよ。自らのトラウマを乗り越え、最後も主人公のピンチに駆けつけてくれて。力尽きてしまったけれど、最後は主人公に翼を託して消える。これくらいキャラの設定に寄り添って、見せ場もしっかりあった上で退場するなら理解はできます。


 ガブとかひどすぎるよね。操作できたときに、所持特技が何もなかった時点で何か嫌な予感はしましたが。強大な敵と戦ったわけでもなく、ミニゲームで気付かず毒喰らって弱って特攻して死にましたってなんだよほんとに。

 ナンナも大概です。ジアクト幹部が死に際に何かを仕掛けてくるって、既にジアクルヴィダでやった展開なんですよ。英雄と呼ばれるほどの存在が、まんまと棒立ちで同じ罠に2度もハマるってなんなのさ。

 アシュレイは最悪の退場でしたね。レオーネが消えて、死場所を探していたのは間違いないと思います。それでも、彼は英雄であり勇者なんですよ。弟が消えたくらいで、世界が滅亡の危機に自暴自棄になって無責任に果てるほど弱い存在なわけがありません。それこそ、ゲノスと相打ちになって死んだり、負けそうになったゲノスの奥の手からみんなを守ったりして死ぬくらいがお似合いの末路でした。


　キャラを退場させたり、殺したりすること自体を批判してるわけじゃありません。それに納得できる描写にして欲しかっただけです。