おかえりなさい!今回はどんな冒険をしてきたのかしら。ぜひ聞かせてちょうだいね。
おかえりなさい!いつもコンシェルジュのイルザちゃんが私のお世話をしてくれているのよ。ありがとうと言っておくわ。
おかえりなさい!もうじき春ね。あたたかくなって来て嬉しいわ。
おかえりなさい!……は、羽根が生えてるわよ!天使にでもなっちゃったのかしら?
おかえりなさい!大丈夫かしら。ひどく傷ついているようだけれど……。
……時折、急にさみしくなるの。私の声は、あなたにはもう届かない。どれだけあなたのことが心配でも、私にはなにもできないから。
私には、あなたとの思い出がいっぱい詰まっているけれど。あなたの膨大な冒険譚の中では、私との冒険なんてきっと1ページにも満たない些細なことなのでしょうね。
……だから、さみしくなるの。いつか私のことなんて忘れてしまうんじゃないかって。ぜいたくな話よね。こうしてあなたのお庭に咲いていられるだけで、十分幸せだったはずなのに。
ねえ、あの日のこと。あなたは今でもおぼえている?私はずっと忘れないわ。はじめて部屋を飛び出してからの刺激的な冒険を。あなたと一緒に過ごした日々を。あなたのふところのあたたかさを。どうかあなたも忘れないでね。お願いよ。
私はニコちゃん。あなたのお家のお庭で咲いている、ただのお花よ。あなたのことを、ずっとずっと見守っているわ。