掛け算の順序問題なるものがSNSで回ってきて、はてどういうことかと軽く目を通してみた。
例えば、1人に4個ずつみかんを配る時、6人に配ったら合計で何個みかんが必要でしょうか。という設問に対して、4個のみかんを6人に渡すから4x6の表記が正しくて、6x4の表記では答えは一緒でも不正解だというもの。
私は計算も理系科目も全滅してる根っからの文系であるので、特に掛け算の順序なぞ今まで一度も気にしたことがなかった。私個人としては、答えは一緒なんだからどっちでもいいんじゃね?そもそも自然言語的に表現しても、4個ずつみかんを6人に配ると6人に4個ずつみかんを配るは同義なのだから、なおさらどちらでも良くないかと。
そう私は思ったものだが、議論は白熱していた。教育者からお医者さんまで参加して盛り上がっていて、何故こんなに盛んなのかなあと軽く歴史を調べてみた。なんと、古くは1950年台くらいからこの手の議論が続いているらしいではないですか。
一応、現在の文部科学省の見解としては、掛け算の順序を守らせることには日常生活を送る上で意義があるのでその基本方針を取りつつ(教科書などは全てその表記になっている)、かといって逆に式順を書いても間違いではないのでどちらでも良い、となっている。
数学者の多くは、掛け算は式の順番を変えても答えが変わらないから、間違いとするべきではないという論調が目立つ。教育者だと、日常生活の範疇で式順を意識して正しく書くことが大事だから守らせているという論調が目立っていた。
なんで日本だと掛け算の順序がこんなに問題になってるんだ?海外でも同様なのか?と気になって調べたら、海外ではこんな議論はほとんどないらしい。答えは一緒なのだからどちらでも良い、がワールドスタンダードな解答。その上で、そもそも西洋圏だと数詞(人数や順序、数量などを表す数字)を先に書く慣習があるせいで、この手の議論に発展する余地さえないらしい。
具体的を挙げると、日本式だと400mリレーは100mを4人で走るから100x4の表記でないといけないのだが、海外では数詞を先に書く関係で4x100となっているため、日本でもそれが適用されて例外的に4x100mリレー表記になっている。決して4mを100人で走るわけではないが、グローバル基準に照らし合わせているようだ。
なるほどあと思ったが、答えなんか出せないなとも感じた。順序を守らせる派の意見としては、子供に掛け算の式順を意識してもらうことが何より大事で。例えば、1日に3gの薬を朝晩の2回に分けて飲んでくださいは、2x3ではなく3x2の表記でないと勘違いが増えるのは確かにそうだと思う。似たようなことは日常生活の範囲で多いのは頷けるし、そういうことを踏まえてなら、子供への学習方針として将来のために掛け算の式順を守らせるのは大事である、という論調にも頷ける。
逆に、数学的に見て2x3でも3x2でも答えは一緒なのだから、片方を明確に間違いとすることは数学的育成の観点から好ましくない、という論調にも納得しかない。数学的思考を鍛える意図であれば、式順を守らせることより、どちらでも答えは同じであることの方が大事だからね。
児童全体の底上げに重きを置くか、才能を伸ばす方向に重きを置くか、みたいな違いに私は感じた。どこに焦点を置くかで、答えは変わるなあって。そら議論が白熱しますわね。
おもろい話の種がまた一つ増えると同時に、そういえば似たようなことを、この前ドラクエ内でフレンドと話したなと思った。
ツボやランプ職人をやっている時に、パルで強化を狙うかどうか?また狙うならいつ狙うのか?狙う商材とそうじゃない商材は?みたいな談義をしていて、似たような帰結だったなあと感じた。
パルで強化を狙うのは、大成功品以外がゴミ価格の場合はもう全力で狙うべき。失敗がついた時点でまおうのランプを使う。逆に埋めつくしや失敗品でもそれなりの値で捌ける場合は、リスクヘッジの観点からパルを狙わないこともある。埋めつくしがほとんど赤字を出さず捌けるなら、実質パルは50%で負けないという意味なのだから、かえって積極的に狙うべき等々。
結論としては、下振れして短期的な赤字を出さないことに重きを置くなら、そもそも大成功以外は捨て値の商材に手を出すべきではないとなったし、パルを積極的に狙う必要性も高くはないとなった。逆に上振れを狙う or 大成功以外は捨て値の商材なら、期待値的にもパル強化は積極的に狙うべきとなった。
選ぶ商材(赤字を出しにくいか、期待値が大きいか)と、目的(赤字を減らしたいか、たくさん稼ぎたいか)に応じて、解答はいかようにも変わるなあって。これは式順を守らせるかどうかと全く同じ。おもしろい。