とある街にいる幼馴染の男女二人。彼らは、小さい頃から馬が合わなかった。事あるごとに言い争ってばかり。大人になった今日も今日とて変わらない。
「アンタってほんっとうに気が利かないわねえ。鶏の方がよっぽど賢いわ」
「お前より羽虫の方が愛らしいけどな」
「はぁ!?何よその言い方!アンタが鈍臭いのが悪いんでしょ。なんか文句でもあるわけ!?」
「いや別に?そもそも羽虫の方が愛らしいとは言ったが、お前より好きだとは誰も言ってない」
「……ふーん?じゃあ私より好きなものって何があるのよ」
「さあ?俺にはお前しかいないからなあ」
ゆうべはおたのしみでしたね。
とある街にいる幼馴染の男女二人。彼らは、小さい頃から馬が合わなかった。事あるごとに言い争ってばかり。大人になった今日も今日とて変わらない。
「はぁ。なんでアンタみたいに冴えない男と一緒にいなきゃいけないのよ」
「それはお互い様だけどな」
「はぁ?言っとくけどねえ!私のお父様は、アンタの歳には宮廷お抱えの立派な魔法使いだったのよ!」
「それを言うなら、俺のお袋はお前の歳には俺を産んでたぞ」
「何よ!私が行き遅れだとでも言いたいわけ!?」
「いや?ただ、そろそろ子供が欲しいなって思っただけさ」
ゆうべはおたのしみでしたね。
とある街にいる幼馴染の男女二人。彼らは、小さい頃から馬が合わなかった。事あるごとに言い争ってばかり。大人になった今日も今日とて変わらない。
「はぁ……」
「いつにも増して虫の居所が悪そうだな」
「……誰かさんのせいでね」
「あ~あ。すぐ人のせいにしてばっかで嫌だねえ。ちょっとトイレ行ってくるわ」
「はぁ……なんでこんなヤツと一緒になっちゃったんだろ。って、アイツなんか落としていったわね。ったく本当に鈍臭いんだから……指輪?」
「……何よ。今日が私たちの結婚記念日って覚えてたんじゃない」
ゆうべはおたのしみでしたね。
とある街にいる兄妹の男女二人。彼らは、小さい頃から馬が合わなかった。事あるごとに言い争ってばかり。大きくなった今日も今日とて変わらない。
「ちょっと!離れて歩いてっていつも言ってるでしょ!アンタみたいなやつと兄妹だなんて思われたくないの!」
「誰もお前と一緒に歩いてなんかない。お前が勝手に付いてきてるだけだろ」
「はぁ!?何よその言い方!このバカ兄貴!!」
「昔はお兄ちゃんお兄ちゃんっていつもついて回って可愛かったのになあ。時の流れは残酷だなあ」
「その話はやめろーーー!!」
家を出て、いつものように喧しく遠ざかっていく我が子二人を見送り、懐かしそうに男は口を開いた。
「昔を思い出すなあ。お前もあんな感じでギャーギャーと喚いてたよなあ」
「はぁ!?一緒にしないでよ!ってか大体アンタが原因だったんだけど!?」
「って、そりゃ今もか……」
「何よ!言っときますけど?私は今でも美人でモテモテなんですけど?」
「……なあ。三人目がいても良いと思わないか?」
ゆうべはおたのしみでしたね。