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紅蓮の羅刹王

マユラ

[マユラ]

キャラID
: HF944-321
種 族
: オーガ
性 別
: 女
職 業
: ストームカイザー
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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マユラの冒険日誌

2026-08-07 02:42:50.0 テーマ:その他

ウェナの碧い海と蒼穹の執事

22.5 暗黒の魔女、その真なる力①

 ルクスガルンでの戦いに終止符が打たれようとしていた時、魔導戦艦バルデアスの執務室で一人座していたエリミリアの姿は既になく――
 闇が溶け込んだ大海原を臨む甲板で、暗黒の魔女は同じく闇を凝縮したかのような黒い宝石と悪魔の二本角をあしらった杖を片手に、海面を眺めながらただ一人佇んでいた。
(首領と幹部の全てが出払っているこのタイミング、相手が見過ごすはずがないと思ってたけど……やっぱり、私の予感は正しかったというわけね)
 月明かりに照らされ、戦艦の機動音だけが静かに響く大海原を前に、エリミリアの鈍色の左脚が甲板に暴走魔法陣を描く。既に完全なる魔力覚醒を果たしている魔女の全身は、周囲の闇よりも深い暗黒に揺らめいていた。
 そして、大きく息を吐いたエリミリアの双眸が妖しく金色に輝いた時――波立つ海面が黒鉄の戦艦を丸ごと揺るがし、山のように巨大な何かが地響きと共に姿を現す。見上げる程にそびえ立つ巨体に深紅の一本角を誇る大海獣は、エリミリアがこの世界では未だ目にしていない存在であった。

(覇海軍王ジャコラの複製体? ロトゼタシアの六軍王が、このアストルティアに……ウングラ一派、私と同じく相当に裏がありそうよね)

 赤く濁った両眼をギラつかせる大海獣の胸部には十字眼の紋章が大きく描かれており、ウングラ率いる魔物商人の最大戦力であることに疑いの余地はない。その上でエリミリアは『この世界では未だ目にしていない存在』と断じており、彼女はそこから一つの答えを導き出していた。
「――私と同じような存在が、異世界の技術を魔物商人に提供してるってことよね!」
 杖を前に振りかざすと同時に、魔導戦艦バルデアスの全砲門が大海獣へと向けられる。魔導戦艦の名は伊達ではなく、基本設計を担当したエリミリア自身が艦の魔力脈とリンクすることにより、全ての機能を自在に操作することを可能としていた。
「――全砲門、一斉発射!」
 戦艦の名に違わない武装から大口径の魔弾が次々と発射され、たまらず仰け反る大海獣。反撃とばかりに大きく口を開き、鮫のように牙の層が立ち並ぶ口腔から火球を吐き出さんとするも、
「口の中って脆いものなのよね――ドルマータ!」
 ガラ空きとなったそこに暴走した幾重もの闇の魔力が連鎖的に炸裂し、大海獣が苦痛の叫びを上げながらよろめく。並の魔物であれば消滅は免れない威力の多段呪文ではあるが、しかし単体で相手の膨大な質量を削り切るには至らず、怒りで喚く大海獣が海面を揺るがし暴れ狂う!
(……ま、そうなることは計算通りよ。でもこっちには、マユちゃん達が居ない代わりにバルデアスがあるのよね)
 ドルマータを詠唱している傍ら、既にエリミリアはもう一つの舞台装置を起動させていた。
 魔導戦艦バルデアス最大の主砲――暗黒魔導砲。
 艦全体のエネルギーは既に充填されつつあり、敵の反撃を封殺するかの如く火力を展開するエリミリア。有事の際は単体で艦隊をも相手とすべく建造された魔導戦艦の力の全てが今、開放される――。

「最終セーフティ解除――暗黒魔導砲、発射!」

〜22.5 暗黒の魔女、その真なる力②へ続く〜
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