ランガーオ村の更に奥地、氷と雪で覆われた複雑な山道があり、
傷ついたものは自然に、そこに辿り着けると言われている
幻の村、ガオガオ村。
その村にはあらゆる傷を追った動物が集まり、その体を癒やす温泉
ガオガオの湯が湧き出ている。
この湯には闘争本能を抑え心を癒やす特別な力が宿っていたため
様々な種族、モンスターがここに居合わせても争い事は起きないという。
古来よりこの湯を守ってきたオーガ族かいる。
彼らは1年を通し、ほぼ極寒の環境に暮らすため色白で、
食料になる資源に乏しいためオーガ族の中では小型である。
いつしか白オーガ族と呼ばれるようになった彼らは、
少ない栄養で過酷な環境を生き抜くために強靭な肉体と精神を作り上げた。
一般的に好戦的とされるオーガ族とくらべ白オーガは「湯の影響」のためか
争い事を好まず、その力も防衛術に特化していた。
ある日、ガオガオの湯の効果が何らかの原因で効き目が薄れ始め、
時折、温泉内で争いが起きていた…
原因が不明ということもあり、村の長老は大きな不安を抱いていた。
ガオガオ村で育った白オーガの青年「おくモン」は長老に命を受けていた。
長老「おくモンよ、世界をめぐり、災いの原因を突き止める旅に出よ」
おくモン「そ、そんな大それた使命を僕なんかに…」
長老「鍛えるのじゃ!」
長老「世界はあらゆる危険に満ち溢れている。
まずランガーオ村で究極の攻撃術を学ぶのだ!」
おくモン「ランガーオの修行といえば死をも覚悟しなければならない
究極の荒行と聞きますだ、僕には自身がないのだ~」
長老「自身?そんなもののあるなしではない。まずやると決め、成し遂げるのだ!」
おくモン「そ、そんな…」
長老「おまえはこの村で育ち、力を付けた。大地への感謝を示すときなのだ」
実際は、村の食糧事情もあり、将来が有望でない独り者の若者を
村から出さざるを得ないという、長老の苦しい役割もあった。
そして長老の命は絶対的な力を持っていた。
おくモンには世界の森を渡り歩いていた木こりの父親がいた。
亡き父の若き日々の話を母親から聞かされていた。
くすぶっていた冒険魂に火が宿ったおくモンは
母に別れを告げ、究極の修行のためランガーオ村へ向かったのである。
大した冒険ができていない冒険野郎の重妄想は果たして続くのだろうか…