蒼ざめた空を 駆け抜ける西風(かぜ)が
新しい旅立ちの時を告げている
ちぎれた翼で つないだ未来へ
もう一度羽根広げ 飛び出して往こう
時の彼方から 震える手のひら
いつも握り返してくれる
遠ざかる影が くれた強さで
明日の在処探そう
夢がすれ違う 止まない嵐に
ひとつだけ ひとつだけ
見えた真実を
選びとることで すべて失くしても
つらぬける 想いだけ
銃身(バレル)にあずけて
(引き鉄 引くことだけが
本当の強さじゃないから
もう迷わずに この道を往こう)
二度と戻れない 時代と知らずに
暖かい あの胸に
抱かれていたころ
幼い力で 初めて翔んだ日
風切り羽 弾かせた
渡り鳥のうた
「どんなにないても じぶんだけにしか
こえられないこともあるね?
ふりむいてごらん そんなときこそ
ひとりきりじゃないから」
嘲笑うような 向かい風が今
蒼ざめたこの空に 吹き荒れ始めた
私の翼を 奪い落としても
抱きしめた想い出が 希望を消さない

飛び交う渡り鳥を落とす、向かい風。
それは、倒せない強敵。
それは、手に入らないアイテム。
それは、同じ鳥達からの悪意。
傷つき、疲れ、それでもみんな羽ばたく。
風の向こうにある青空を目指して。
私は、そんな鳥達が疲れた体を癒すため、
傷ついた翼を休めるため、
一時の安らぎのために止まる止り木のようになりたい。
私の枝でひととき休んで。
元気になったら、私の枝を力強く蹴って、広い空へ羽ばたいて。
鳥達が飛んでいく姿を、見守れるようになりたい。