【注意:この文章にはver4.5前期までのメインストーリーの核心に触れる記述があります】
■歴史改変と世界の修正力
ver4.2メインストーリーで、古代オルセコ王国の話があります。
本来の歴史ではギルガランが死亡してグリエが王位を継ぐはずでしたが、
主人公の介入によってグリエが死亡してギルガランが王位を継ぎます。
これによって現代にいるオルセコ王家の末裔の祖先が変化しますが、
血筋の元が変わったことで王国が存続することはないわけです。
このように歴史の流れが維持される現象を、ここでは「歴史の修正力(による修正)」と呼びます。
(キュルルの説明による)
ver1のストーリーに、過去へと遡って失伝した破邪舟術を現代へ継承させる話がありました。
オルセコ王家の件からすると、これはレイダメテスの件を解決しても、
結局別の要因によって破邪舟術は失伝するように思えます。
しかし、無事に破邪舟術は現代のフルッカへと継承されますね。
これを誤差程度の歴史修正とするには無理があります。
破邪舟術が継承されなければネルゲルを倒す方法はなく、レンダーシアは解放されません。
恐らくアンルシアは覚醒せず大魔王マデサゴーラの侵略は成功します。
なので、ここは何故か「大きな改変なのに修正力に修正されない」のです。
もう一つ例を挙げます。
クエスト「約束の旅人」の中で、きょうだいがエテーネ村が滅びるのを回避するために、
過去へ戻って対策を講じようとするも失敗するという話が語られます。
これは「数年前か数年後にしか飛べない」「数年前から待っていてもネルゲル襲撃の直前に無理矢理飛ばされる」という現象です。
これから考えるに、エテーネ村の滅亡は避けられない事象で、修正が不可能なのです。
このように、アストルティアの時空に於いては
「歴史改変が可能な事象」
「修正力の働きにより辻褄が合わされる事象」
「そもそも修正が不可能な事象」
の3種類が存在することがわかります。
これらには、区別する明確な基準が存在します。
「現在の主人公を成立させるために必須かどうか」です。
例えばオルセコ王国が現代まで存続すると、オルセコ闘技場がなくなりガートラントのキークエストが破綻します。
古代オルセコ王国で王子のどちらが死のうが、最終的にオルセコ王国が滅びて末裔が歴史学者になれば
(この点はver4.3メインストーリーの成立に必須)誤差なのです。
よってこれは辻褄合わせだけで結果が変わらない形となります。
ウルベア帝国、ガテリア帝国についても同じことが言えますね。
破邪舟術の失伝を継承に変えるくだりはネルゲル討伐に必須です。
これは歴史としては世界の未来を左右する大きな改変ですが、ないと主人公の現在が成立しません。
よって改変が可能です。
エテーネ村の滅亡は言うまでもありませんね。
これがなければ主人公は旅に出ることはありません。
どうしても滅びてもらわないと困るので、改変は不可能です。
これらは(シナリオライターの都合というメタな理由を除き)
選定の基準についてある明確な説明ができます。
"あなたを強くすること"です。
主人公はエテーネ村を滅ぼされ、ネルゲルを倒す旅に出ます。
キーエンブレムを集め、勇者を助けて大魔王、
闇に堕ちたナドラガ、キュロノスを倒してきました。
その間にレベル上限解放も行われたことでしょう。
では、そのレベル解放を用意したのは誰でしょうか。
六聖陣が説明してくれますが、彼らは女神ルティアナに仕え、大いなる闇の根源と戦い続けているのです。
レベル上限解放を用意し、冒険者を更なる高みへ導いているのは女神ルティアナです。
女神ルティアナは、大いなる闇の根源と戦うことができる強力な駒を探してきたのでしょう。
そして、見つけました。
しかし、その者は魔物の襲撃で命を落とします。
ルティアナが用意したであろう勇者システムをすり抜けるために生み出された、魔王ならざる者。
流石のルティアナにもこれは予想できなかったのかも知れません。
もしくは、死んだことで初めてその魂が持つ可能性に気付いたのかも知れません。
女神ルティアナは、闇の根源に対抗しうる戦士に育つ可能性があるその魂を一旦別の体に移しました。
後はこれを読んでいるあなたの知る通りです。
アルウェーンは4.5前期のストーリーをクリアするとディストピアからアミューズメントパークに変化します。
この部分の改変が許されたのは、ディストピアであるアルウェーンの存在が、
アストルティアの滅亡というルティアナに都合が悪い事実の裏付けだからかも知れません。
(追記)
ディストピアであるアルウェーンがある時間軸ではルティアナが滅びているため、歴史の改変を止める者がいなかった可能性も考えられます。