前回(IV)において惑星アストルティアの直径が32.582㎞ということを、先人の手も借り、計算で導きだしました。
そうなると次に気になるのは、アストルティアの質量や平均密度です。
今回は、それらについて実測を元に算出してみようと思います。
●計算過程
まず密度については、アストルティアの大きさがわかっている(=体積もわかる)ので、質量が分かれば密度も分ります。
では、質量をどうやって求めるか考えます。
着目するのは以下の二つの物理公式です
(1)W=mg (2)F=GMm/r^2
(1)はある物体の重量Wを表す式(mは物体の質量、gは重力加速度)。
(2)はある物体と惑星アストルティアの間に働く万有引力Fを表す式(Gは万有引力定数、Mはアストルティアの質量、mは物体の質量、rは両者の間の距離≒アストルティアの半径)。
つまるところ、表しかたが違うだけで、どちらもある物体の重量を表しているのです。
つまり、
W=F
⇔mg=GMm/r^2
⇔M=gr^2/G
アストルティアの半径rは前回の計算より、
32.582/2=16.291(㎞)=16291(m)。
万有引力定数については、アストルティアの宇宙と現実の宇宙とで同じだと仮定すると、
6.67×10^-11(N・m^2/kg^2)。
つまり、rとGは既知なのです。あとはアストルティアの重力加速度(物体を落としたとき、単位時間あたりにその物体がどれだけはやくなるか。単位はm/s^2)がわかれば、アストルティアの質量がわかりますね!
では、どうやって重力加速度を求めるかというと…

そう、ジャンプするのです!
……ジャンプしてどうするかというと、ジャンプしたときの「ジャンプの高さ」と「最高点に達するまでにかかる時間」を測ります。
前者に関しては、まず、自キャラの身長とジャンプの高さを画面上で定規で測りました(それぞれ13.8㎝と12㎝。え、ジャンプ力すごない?)。
そして、ぐぐったところ、エル子(身長小さめ)の身長は125㎝(え、小さない?)だそうです。
これらから、ジャンプの高さをyとすると、
y:12=125:13.8⇔y=108.6㎝≒1.09m
次に最高点に達するまでの時間ですが、これはストップウォッチでひたすら測りました。結果、脊髄反射も考えて0.5秒くらいと結論付けました。
ここで、ジャンプを鉛直投げ上げと捉えて、その公式を利用していきます。
(A)v=v0-gt (B)y=v0t-gt^2/2
(A)は初速度v0でジャンプしたときのt秒後のくるるさんの速さ、(B)はt秒後の高さを表しています。
(A)よりv0=v+gt これを(B)に代入してv0を消去し、式を整理すると、
g=2(y-vt)/t^2 となります。
ここで、ジャンプの最高点に達した時を考えると、
y=1.09、v=0、t=0.5 なので代入すると、
アストルティアの重力加速度gは、
g=8.72≒8.7(m/s^2)とわかりました!
地球の重力加速度が約9.8(m/s^2)なので、アストルティアは地球よりかなり小さい(391分の1)にもかかわらず、相当な重力加速度を有している=見かけに依らずかなり重いことが伺えます。
重力加速度が求まったので、アストルティアの質量Mを計算します!
M=gr^2/G (g=8.7、r=16291、G=6.67×10^-11)なので、
M≒3.462×10^19(kg)≒3.462×10^22(g)
球体の体積は4π半径^3/3なので、アストルティアの平均密度(g/㎝^3)は
3.462×10^22÷(4π×1629100^3/3)
≒1911.5(g/㎝^3)
1㎝^3あたり1.9kgの質量という結果に!?
お、重すぎる!
参考までに地球の平均密度が5.51(g/㎝^3)なので、アストルティアの平均密度は、実に地球の347倍。
アストルティアは未知の重元素からできているのかもしれない。。。