※ネタバレ注意
・ver7.4までのストーリー・クエスト・各種コンテンツ
・DQⅨ
【はじめに】
アストルティアを創った創世の女神ルティアナ。その出自は「とこしえのゆりかご」と呼ばれる旧き世界であり、それはルティアナの父・主神グランゼニスが創造した果ての大地ゼニアスと呼ばれる世界でした。
そしてDQⅨには、世界を創った創造神グランゼニスなる存在が登場することは、以前の記事で紹介した通り。
この“主神”グランゼニスと“創造神”グランゼニスは同一の存在であると考えられ、Ⅸで語られた彼の情報から、Ⅹで登場する彼についても見えてくるものがあります。
ⅨとⅩの物語、そのすべての始まりともいえる存在が今回のテーマです。
※全5編

【明かされた繋がり】
そもそも何故Ⅸの創造神グランゼニスとⅩの主神グランゼニスが同一人物であると考えられるのか。
まず、ⅩがⅨの世界と繋がりを持った未来の時間軸の物語であることは、かねてから神話篇やストーリーの中で関連するキーワードが登場することで示唆されてきました。
そして、旧世界とこしえのゆりかごの創造主の名がグランゼニスであり、その世界の全体図がⅨで最初に舞台となる大陸の地形と一致することが判明。両作の世界の繋がりの全容がついに明らかになり、Ⅸの世界とグランゼニスのその後が語られ始めました。
なお、ⅨのグランゼニスとⅩのグランゼニスは姿がだいぶ違っています。Ⅸではトーガのような衣を纏っていて、髪型や髭の蓄え方にも差異が見られます。姿だけでは同一人物と判断し難いですが、両作で姿が異なる理由の考察は次回以降で。
また、Ⅸの舞台となる世界は固有名で呼ばれておらず、ゼニアスという名は後の時代で付けられた可能性があります。ルティアナが誓約の園に残した記録によれば、ゼニアスの名はグランゼニスが自分の名から取ったようで、ルティアナもそれに倣って新世界に名を与えました。

【驕れる神の過ち】
Ⅹの誓約の園の構造はⅨの神の国と酷似しており、どちらも神の暮らす場所なので同じ場所とみられます。そして、誓約の園の東部にある石碑には主神の継承について記されていますが、Ⅸの時代の同じ場所にはグランゼニスの世界創造について記されていました。
空と海と大地を創り、そこに生きるあらゆる生命を創り、最後に人間を創ったという記述は、旧約聖書を彷彿とさせます。神とは生きとし生けるものを守り導く存在で、正しき心を持つ者を守るために悪しき者は滅ぼさなければならないという考えも記されています。そして、人間には正しき者と悪しき者の両方がいるが、栄えるのは悪しき者ばかりなうえ、他の生き物をも苦しめ支配するようになったと記されており、これが後にグランゼニス自身が過ちであったと振り返る判断に繋がります。
以前の記事でⅨの物語の概略を書きましたが、改めてⅨでのグランゼニスの行動をまとめておきます。
Ⅸ本編より遥か昔、グランゼニスは人間の悪徳が蔓延った世界を憂いており、人間は失敗作であると判断し滅ぼそうとします。
しかし、娘の女神セレシアは人間を信じており、人間を滅ぼしてはならないと訴えました。セレシアは己の身を世界樹へと変じ、人間の清き心でしか元の姿に戻れない状態となります。
グランゼニスは自らを犠牲にしてでも人間を守り、その清き心を証明しようとする娘に免じ、人間への断罪を暫し待つことにします。そして、世界樹となったセレシアの手足となる存在として天使を創り、人間を見守りながらその清き心の証(星のオーラ)を集める役割を与えました。
Ⅹにおいて、グランゼニス本人やその記憶を受け継いだ守護天使マギエルが語る「かつてのグランゼニスの過ちを正し、赦してくれた者」とは、女神セレシアのことを指している可能性が高いと言えますね。
そしてⅨ本編の時代、世界樹に女神の果実が結実しますが、人間への憎悪により堕天使となったエルギオスが地上から放った閃光が天使界のみならず、神の国の宮殿をも貫きます。そして、グランゼニスは主人公たちが神の国を訪れた際には姿を消してしまっていました。
しかし、女神セレシア曰く「創造神が滅んだなら、自分もこの世界もとうに消え去っているはずで、確かに存在はしている」とのこと。
なお、エルギオスは神は自分の放った閃光で死んだと思っていたようです。
以上がⅨの物語において、グランゼニスについて明確に語られた描写です。
しかし、これではセレシアが世界樹となってからⅨ本編の時代に至るまでのグランゼニスの動向はわからないですし、姿を消した真相も不明です(Ⅹにおいて再登場したということは、セレシアの言うように死んではいなかった訳ですが)。
次回は、Ⅸにおいてグランゼニスが生み出したり、彼自身から生じた者たちのお話になります。