「マデサ〜、ご飯できたよ!まだアトリエにいるの?」
「ぐぬぬぬ、やはりアストルティアでは余の芸術も本調子ではないのかぁ...」
「聞いてる?マデサ!」
「なんだ、勇者の盟友。余はもう少し創造の女神に挑戦するぞ!」
「しょうがないなー。あ、また作品が増えてる...作りかけの。」
「そろそろ失敗作を廃棄しにいかんとな」
「あれ、この絵ってもしかしてトーマ王子?」
「ああ。紛い物の勇者だ。戯れに描いてみたのだ。だが描いたところであれが戻ってくることはない...」
「マデサ、トーマ王子に会いたい?」
「いい道具だったよ。余の期待によく応えてくれたからな。」
「そっか...」
〜翌日〜
「ねえマデサ、ちょっとこっち向いて」
「邪魔をするな盟友、今余の才能が溢れんばかりに芸術を進化させて...ん?」
「美容院に行って整形してきたんだ。トーマ王子に似てるかな?」
「な...なんだと!貴様、紛い物の紛い物になろうとでも言うのか!」
「え、ちょっとびっくりさせようとして...怒らなくてもいいだろ!」
「トーマには全く似ても似つかんよ。大魔王ともあろう者が、そんな格好をするな。」
「そこまで言わなくても...ぐすん」
「だが...ふむ。」
「その姿を余が描いてやるのも良いかもな。」