ver5.5後期クリア後までのネタバレ
捏造設定
カップリング 主人公(男)xナラジア
第一話です。
どこから読んでも話がわかるようにしたい(できるとは言ってない)
「へっへへ、楽しませてくれたじゃねえか。」
「いやぁお前もひどい奴だなぁ。こいつ…ナラジア、だっけ?泣きべそで可愛い顔がぐしゃぐしゃだぜ。」
「あーあ、お楽しみも今日で終わりかよ。明日には儀式のイケニエにしちまうなんてなあ。もったいない。」
魔物たちの下劣な声が洞窟に響く。
ナラジアは再び腕を後ろで拘束され、ボロ雑巾のように湿っぽい牢屋の中に打ち捨てられた。
喉が渇いて舌が張り付いていた。笑い声が遠ざかるのを聞いて、ナラジアは重たい頭をもたげて周囲を見回した。
上階から射し込むわずかな灯りが色のわからない水溜りを反射しているのを見つける。キャタピラーのようにズルズルと地面を這い、その水に舌を伸ばそうとした時だった。
ーーー光。
あたたかいひかり。
階段を降りてくる。足音と共に。
電撃が走ったようだった。喉の渇きも、全身にまとわりつく疲労も忘れて、ナラジアはすぐさま体を起こし光の方へ飛びついた。
冷たい鉄格子の向こうで、赤い鎧に身を包んだ見知らぬ茶髪の青年が立っていた。優しそうな…そして、どこか懐かしいような風貌をしていた。
彼が、このあたたかい光の持ち主か?
ナラジアはそう問いかけようと口を開いたーーー
瞬間。
バキバキメリメリバギィ!!!!!!!
耳をつんざく金属音が鳴り響いた。
反射的に目を閉じたナラジアが、ゆっくりと目を開けると、なんと目の前にあったはずの鉄格子が左右にひしゃげて人1人通れる隙間ができている。
その隙間から茶髪の青年が、何食わぬ顔で手を伸ばしてきた。
「じゃあいこうか、ナラジア。」
「え…?」
-つづく-