ver5.5後期クリア後までのネタバレ
捏造設定
カップリング 主人公(男)xナラジア
こういうの書いてたら、シナリオ班にスカウトされたりしないかなあ。
「とりあえず…ずいぶん汚れてるみたいだから、風呂入れ。」
城の一室でナラジアは着替えを投げつけられた。
「え…っと…。」
「ん?俺の部屋着は着たくないか?」
ナラジアをここまで連れてきた茶髪の青年は、自身の鎧を解きつつ問いかけた。
「あ。まさか、風呂の入り方まで忘れたって言わないだろうな。子守じゃないんだから、そこまでは付き合えないぞ。」
「い…いってきます…。」
何か言いたげに口をモゴモゴさせながら、案内されるがままナラジアは風呂場に向かった。
髪に絡みついた泥をシャワーで流しながら、ナラジアは今日のことを思い返していた。
おそろしい連中によって生贄にされようとしていたナラジアを、怪力で鉄格子を捻じ曲げて助け出した茶髪の青年のこと。
ナラジアをおぶって魔界の荒野を移動する間、青年はエックスと名乗った。
そして、今代の大魔王であるとも…。
エックスの姿はどう見ても人間だったので道中は半信半疑であったが、高原の岬にあるおどろおどろしい城へ到着する否や、屈強な魔族の兵士たちがつぎつぎにエックスに最敬礼をしており、どうやら本当であるらしいと納得した。
つまりナラジアは、大魔王に拾われたのである。
はて、下劣な魔物たちに牢屋に閉じ込められ、死ぬまでいじめられるのとどちらがマシだろうか。
大いなる魔の王というくらいなら、もっとひどい拷問を受けるかもしれない。
そんなことが頭をよぎったが、ナラジアは悲観しなかった。
なぜなら…エックスから感じる懐かしくもあたたかい光。
それを浴びると失われた記憶のどこかが震えて、彼を信じてしまって良いのだよと、語りかけてくる気がしたのだ。
-つづく-