仲間たちは散り散りとなった。
私のぱふぱふは何もできなかった。
私のぱふぱふは無意味だったのか…。
終わりのない問いを繰り返す中、私の目の前に一つの影が現れた。
「あ、あなたは…!!」
キュートなお目目にまん丸胴体。生えた触手は滑らかに。体の色がスライム族との格の差を見せつける。
その御方こそ――
「ぱっふ!ぱっふっふ!」
――しびれくらげ先生である…!
「ぱっふ」
先生は私の前に浮かぶとそう仰った。
「ぱっふ ぱっふっふ ぱっふ ぱふぱふ?」
私が最初に求めたぱふぱふ…?
「ばっふ ぱっふっふ」
ど、どういうことですか、しびれくらげ先生!
「ぱふぅ。ぱっふぱっふっふ!」
「ぱふぱふ ぱっふぱっふ」
叶わぬ願い…?
それは、まさか、それはつまり…!
私のなかで何か弾けようとしていた。
「ぱっふ!ぱっふっふ!」
何かを見つけかけた私を見て、しびれくらげ先生は満足そうに立ち去っていった。
行こう。私のなかで答えは出た。もう迷わない。
私はルッチー氏の元へ駆けた。ルッチー氏は私が迷う中一人で仲間を奪還する方法を考えていた。そのためにも、全ての元凶を炙り出す方法を考え出していた…!
勿論私はルッチー氏に協力を申し出た。そして即座に計画は実行に移された。
罠は見事に成功した。
全ての元凶は姿を現した。
それは一つの悲しい事実。元凶の正体は――だった。でもぶっちゃけ一人しかいないよね!あの人一人だけ種族がね…。
元凶は私たちを立派な社会人にすべく洗脳攻撃をかけてくる。
苦しむルッチー氏。
しかし、私には効かない。
何故なら私は迷わないから。ぱふぱふとは何かに気づいたから。
思えば簡単だった。
ぱふぱふとは何か?物質ではない。
物質とは何か?決してぱふぱふではない。
ぱふぱふとは謂わば至高の美のようなものなのだ。
至高の美は定義されない。表現できない。それはその行いが至高を貶めるから。
ぱふぱふもそうだ。ぱふぱふは定義できない。ぱふぱふとは0であり1なのだ。形而的概念に近い。
ぱふぱふは存在する。ぱふぱふはそこにある。しかし、明確なぱふぱふとは存在しない。
紐解けば異世界。りゅうおうを打ち倒したとされる伝説の勇者はぱふぱふを体験した。しかし、それが何なのかは一言も記されていない。
またロトの勇者はマッチョのマッサージこそがぱふぱふだったと涙ながらに語った。
モテモテになったり、元気になるおまじないだったこともある。
ラッパの音や化粧であったこともある。
そうぱふぱふとは謎なのである。真のぱふぱふを知るものはいない。
中には魔物にしてもらったというものもいるだろう。だかしかし!私たちが見たのは青空を飛ぶ鳥と、無数のハート、そして気持ちよさだけである!
その目で見たことは一度もないのだ…。
もう一度言おう。
ぱふぱふとは謎である。
形なきものなのだ。
見たい。触れたい。知りたい。
それらの願いは叶わね願いなのだ。
ぱふぱふとは叶わぬ願いである。
しかし。
しかし、だからこそぱふぱふは全てであるのだ。
その存在が謎であり形がなければ、形は自由だということだ。
叶わぬ願い。当たり前だ。叶ってしまえばそれまでだ。未だ叶わぬからこそ、可能性が、希望が生まれる。ぱふぱふこそが全てを包み込まんとする闇だ。
しかしぱふぱふこそが闇を裂く光となるのだ!
万物はぱふぱふであり、ぱふぱふは万物である!
話を戻そう。元凶に対峙する。
後ずさる元凶。
――見せてやる。
――これが俺の
――ぱふぱふだああああ!!
……そして、戦いは終わった。遊びクラブは元通りになった。
長く険しい戦いだった。ここで得たものは一生忘れられないだろう。
遊びクラブを立ち去るときがきたようだ。私はまだぱふぱふを極めてはいない。ここで足踏みするのは、寧ろ彼らに迷惑をかけてしまう。
なに、また会えるだろう。さしあたってはレベル105
になるまで。そのあとは…その時に。きっと大丈夫ぱふぱふが存在する限り…人の縁は切れないだろう。
ぱふぱふの導きがあらんことを
最終奥義、ぱふぱふ(不死鳥天舞)
ぱふぱふとつければ何でも許してもらえるらしい。