今日は節分。
僕は休みで、ずっと家。
午前中に日課を終わらせ、昼前に豆まき。
最近豆まきをしない家が多いって聞くが、我が家では今年も豆をまいた。
豆まきのことは、この日誌の最後にまた書こう。
そして午後は、温かい日差しのもと、読書をした。
外の寒い空気を感じつつ、温かい部屋のなかで本を読む。
至福の時間だ。
読んでいる本が、面白ければなおのこと。
そして、今僕が読んでいる本は・・・
佐藤さとる作、村上勉挿絵の、「だれも知らない小さな国」
日本初のファンタジーと言われている児童文学。
この日誌タイトルの文章で始まる。
初見ではなく、小さい時に読んだ本。
ちょっと読む必要がでてきて、改めて読み直している。
小学生のときだったか、僕が風邪をひいて寝込んでいる時、おばさんが買ってきてくれた本。
寝ながらでも読めるでしょって、プレゼントしてくれた。
具合悪かったけど、どんどんのめり込み、最後まで読んだ記憶。
主人公が小学3年生のときに出会った、小さい人“コロボックル”。
そんなコロボックルの住む小山を守るため、20年経って大人になった主人公が頑張る!?
そんな話だったか?
もうほぼ忘れていたので、今回読み直した。
本を読みつつ、その世界を想像する。
コロボックルが住んでいる小山の想像には、毎年お盆に行っていた母方の実家の裏山が役に立った。
あの裏山は、今はもう杉が切られて、丸裸だ。
風邪が治った僕が、まず起きて覗いたのが、ばあちゃんの部屋のタンスの隅。
お茶目なコロボックルが、のぞき返してくるんじゃないかってドキドキした。
あのタンスは、ばあちゃんが亡くなったとき、捨ててしまった・・・
今回読みはじめると、ぶわーっと当時が思い出される。
読書でも音楽でもゲームでも、当時を思い返せるコンテンツがどれだけたくさんあるか。
人生を深くする一つだなって、しみじみ感じる。
話を、昼前の豆まきに戻そう。
今年の豆は、落花生。
大豆だと拾うのが大変だから。
それに落花生は殻あるので、外に投げた豆も食べられる。
1つ1つの部屋に、「鬼は外!福は内!」と叫んで豆をまく。
子どものころは大声だったが、今は小さく、いや、心で思いつつ・・・
勝手口から外へ、玄関から外へ、そして掃き出し窓から庭へもまく。
外に向かって、鬼を追い出し、内に福を呼び込む。
3分そこらで終了。
子ども時代に比べて、ずいぶんと簡略化。
鬼の面をかぶった大人も、もういない。
さあ、あとは豆を回収し、自分の年だけ豆を食べ、残りは神棚へ。
春の雷が鳴ったとき、残りの豆を食べるのが、我が家の風習だ。
部屋の豆は全部拾い、外に投げた豆も拾う。
勝手口、玄関、そして庭。
あれ?
庭に投げた豆がない。
1個ちゃんと投げたはずなのに??
縁側から1個、軽く投げて、すぐそばに落ちたはずなのに。
庭に降りて、花壇のほうや縁の下も探したけど、見つからない。
投げたときは、ちゃんと落ちたのを確認したのに・・・
不思議だけど、ないものはない。
家に戻って、残りの豆を袋につめた。
うん、きっと、コロボックルだな。
豆まきを見ていて、自分たちもきっとしたくなったんだろう。
彼らにとっては、おっきなおっきな豆。
盛大に豆まきをして、みんなでたらふく食べるんだろうな。
そんなことを思いつつ、僕も豆を食べ始める。
自分の年と同じ数の豆、だいぶ食べるのがきつくなった。