私はドラゴンクエストの2~6までをシコシコと勉強もせずにプレイして育った世代なんですが、学生時代はコミュニケーションツールの代表格でもありました。
どこまで進んだ?
今、なんレベル?
どうやってあそこをクリアしたの?
そんな会話ばかりしていたような気がします。
これが全国共通なのかは分かりませんが、少なくとも私の周りはそうでした。
そして、こんな会話を友人達としている時間が堪らなく好きでした。
そんな気持ちに近いものを、ドラクエ10は久々に私に与えてくれました。
インターネットで繋がった、この日本のどこかにいる顔も知らない相手と、つい数分前まで何の接点も無かった相手と、一緒に冒険に旅立つことで「仲間」になれた気がしたからでしょうか。
子供の頃と同じように、純粋にドラクエが楽しいと思えたんです。
何故、こんなにも楽しいのか?
個人的に、ですが、RPGなんてものは100人プレイヤーがいたら100通りのシナリオがあってしかりと思っているのですが、どうやらこのドラクエ10は、そんな私の我儘を叶えてくれる素晴らしいRPGのようです。
先日、いつものようにレベル上げ目的のパーティーに誘われ、ついていった先は自身初の未開の雪山。
戦士・武闘家・僧侶・盗賊(私)の面子だったのですが、僧侶さえいればなんとかなると安心しきっていた矢先、事件は起きました。
初見の敵に痛恨の一撃を連発され、私以外の三人が死亡。
頼みの僧侶も死んでしまっては意味がありません。
からくも私一人でその戦闘を終わらせたまでは良かったのですが、世界樹の葉もなく復活の呪文も無いこの状態の盗賊に、一体何ができるのでしょうか?
私は考えました。
ごめんなさい、そうチャットで呟き、一人で下山するしかないんじゃないかと。
それ以外、方法がないんじゃないかと。
しかし、短い間であれ一緒に戦ってきた仲間を見捨てるわけにもいかず、どうしようかと悩みました。
あまり時間もない為、とても焦りました。
無い頭を捻るというのは、こういうことを言うんでしょうね。
次の瞬間、私は閃きました。
「この飛行機の中に、何方かお医者様はいませんか!?作戦!!」
つまり、この吹雪いている雪山で、僧侶を現地調達すればいいと気が付いたわけなんです。
直ぐ様辺りを見回してみたのですが、それらしき人影はありません。
というか、人っこ一人いませんでした。いませんでした。いませんでした。
仲間に、「ちょっと待って」とチャットを残し、私は走り出しました。
僧侶の方、いませんか!?
そうチャットで叫びながら走り続けました。
生憎の吹雪の為、私の叫びが届いているのか定かではありません。
いや、嘘です。
ちゃんとログに表示されてます。
僧侶の方、いませんか!?
しばらく走ったところで1つ目のパーティーと遭遇しましたが、残念ながら僧侶はいませんでした。
僧侶無しで雪山なんて自殺行為だろ!?、そうチャットで叫びたくなる気持ちを抑え私は更に走ります。
僧侶の方、いませんか!?
奇跡的に2つ目に発見したパーティーのリーダーの方が僧侶でした。
名前は忘れてしまいましたが、私の身長の4分の1程の背丈と、毛むくじゃらの体が印象的でした。
えぇ、イエティではありません。
立派な司祭様でしたよ。
そのイエティを私のパーティー(くさった死体候補)まで誘導し、復活をお願いしました。
イエティは快くザオの呪文を人数分唱えてくれ、見事我々パーティーは復活を遂げたのでした。
仲間からは「ありがとう!」「助かった!!」などの称賛のチャットの嵐です。
いやいや、私は運が良かっただけで、真に感謝しなければならないのは、あのイエティですよ。
ありがとう、イエティ!
お陰で私も楽しかったよ!!
とまぁ、こんな感じで凄く楽しいんですよ。
それをリアルタイムで他人と共有出来るわけで、楽しくないわけがないんです。
強敵を仲間と共に打破する楽しみや、クエストの謎を解く楽しみ、他にも様々でしょう。
それらに共通するのは、やはり他者とのコミュニケーションであり、それは子供時代のものと何ら変わりはないんです。
だからこそ、こんな楽しみを私は周りの皆と共感したいと思い、いつものように長々と書いてみたわけなんです。
これで少しでもドラクエ10に興味を持ってくれる人が一人でもいてくれたら、私もイエティも幸せです。
一緒に冒険、行きませんか?