ラッカラン。
欲望と、絶望と、希望とがそれぞれの輝きを放ち、それぞれが交わり織り成す光には、また人が羽虫のように群がる。
絢爛豪華な佇まいからは想像が出来ない、深い深い闇がここには存在している。
そして今日もまた、その闇に飲まれた哀れな人間がここに。
俺「ほげー!!」
何回やっても勝てない。
そもそもスロットなんかでちまちまやっても無理だろこれ。
てか、始めっから店側が勝つシステムなんでしょ知ってるからー!!
ダーマに行ってからかれこれ1ヶ月は経つ。
当初の目的である転職がままならなかった俺は、そんなことはすっかり忘れてラッカランでスロット漬けの毎日である。
現実から目を背けるには丁度いいと、それでもチームクエストだけは必死に頑張っていた。
日々更新される内容を確実にこなす、これだけやって後はラッカランでスロット。
このルーティンワークから抜け出すことが出来ないでいた。
というより、むしろ甘んじて受け入れていた節もあったように思う。
毎日やっている割には全然勝てないスロットであったが、たまに来る大当たりに目も頭も霞んでしまい、ただただ減っていく所持金を見て見ぬふりを決め込み、今日もまたここラッカランで散財する俺であった。
…いや、ダメだろこんなんじゃ。
早くなんとかしないと、本当にダメになってしまう…。
分かってる、待ってたって誰も助けてくれないし、自分が動かないといけないことだってよく分かってる。
こんなとこでメダル遊びしてたってなんの解決にもならないし、只々無駄に時間だけが過ぎ去っていく。
そんなことは誰に言われるまでもなく、自分自身が一番分かってる。
分かってるんだ…!!
ただ、前回ダーマを訪問してからあまりにも時間が経ち過ぎだろこれ…。
なにやってたんだ俺は…!
てか、正直ちょっともう行きにくいよね?
なんか微妙にタイミング外しちゃってるっていうか、これ行ったら行ったできっとまたダーマ神官に文句言われるパティーンで必要のない怒りを覚えてまた嫌な気分になるんでしょ!?
わかってるわかってるから、それでも行かなきゃいけないの分かってるからっ…!!
…でも行きたくねぇぇぇ!!
よし、明日行こう。
今日はもうちょっと遅いし、リハビリ的な意味合いで心の準備も必要だしね。
うん、そうしよう明日にしよう。
翌日、必死にチームクエストを進めるアンダーソンの姿がそこにあった。