冒険日誌№57【光の戦士、闇の戦士】
光と闇、それは相反するものであると同時に、決して分かれえぬもの。
光があるからこそ闇が生まれ、闇があるからこそ光は輝く。
メギストリスに紅い月が昇った。
人々の血を吸ったような、紅い輝きが雲の切れ間より城下町を照らす。
「ふ、光の戦士よ…錬金をこの俺に付けさせればよかったものを…!!」
闇の戦士、ヌルシンハはその背に背負った禍々しい斧を手に、彼に言った。
「もう錬金されている…という事は、もう錬金できないって事だね…!!」
過ぎた事を悔やむ彼は光の戦士、クロム。純白の羽根はその手にした天馬の大剣より舞い落ちた。
光と闇、表裏一体の二人が対峙するのは宿命だった。
「来い…!!」
「今日こそ決着をつける…!!」
闇の戦士は斧戦士だが、光の戦士が持つ天馬の大剣を手にする事もある。
光の戦士は白い配色を好むが、以前ファントムを着ていて「黒は似合わない」と言われた事があるからだ。
そう、今二人が光と闇に分かれているのは、結果なのだ。
「くっくっく、クロムよ、貴様の冒険は…」
「これにて終了だ!!!」
「ぐあああああ!!!」
闇の戦士ヌルシンハの腕がクロムの胸を貫いた。
ブチャラティがかつてボスにやられたように。
試行錯誤する事数度。
これに到達するまで、光の戦士は闇の戦士の周りをうろうろした。
通り過ぎる人々からの好奇の視線が闇の戦士を苛む。
「これ、まわりみんな何やってんだって思ってない?」
狂気を疑われているのではないか、と闇の戦士は呟いた。
貫かれた胸をおさえながら、光の戦士は闇の戦士の傍らに。
今は決着の時ではない。
りんりんがご飯を作っているから。
闇の戦士と光の戦士は並び立ち、ともにこの世界を救う事を誓った。
光があるから、闇がある。
闇があるから、光がある。
プレイスタイルは違えど、時々二人の道は交差する…!!