______橋の上______
カズ『やっと来た。待ち侘びたよ』
なんか、偉く態度がでかいというか...ラスボス感があるな...世界の半分くれちゃいそうだけど...
マリ『もうやめにしようぜ』
カズ『やめるわけないじゃん!wマリサとずっと一緒にいたいんだからさぁ!マリサもみんなみたいに僕を無視するの?存在を!ねぇ!』
マリ『何を言ってるのかわからないぞ。現にこうやって向き合って話してるじゃないか。確かにフレンド切ったのは悪かったけど』
カズ『どうせ僕は除け者扱いだよ。僕が挑戦したって、みんなバカにするし、無駄なんだよね。』
セン『挑戦?まりちゃんがなんか馬鹿にしたんか?』
カズ『学校のやつらだよ!』
あぁ、そうか。そっちの話、か。
カズ『努力も全部無駄なんだよねきっと。頑張ったって意味ないんだよ。』
マリ『・・・だから、カズもそんなやつらみたいに、誰かの挑戦を馬鹿にするのか?』
私は思い出す。二週間前に彼が初心者のサイクロプス戦に口出ししたことを。
マリ『元々そんなやつじゃないんだろ。カズはさ』
カズ『・・・』
カズは黙ったままでした。笑って怒って感情のコントロールが出来てないみたいだ。でも今は、そんな彼に少し寄り添いたいと思った。
マリ『頑張れとも言わない。学校に行けともね。きっと散々言われてるだろうから。でも、でもな、カズを馬鹿にした連中みたいにはなるなよ。サイクロプスに負けたって、挑んだってことは残る。それもきっと思い出になるし、未来の自分を作りあげるんだ。』
私は彼を助けたい。風泣き峠で彼とまた海が見たくなったから。
カズ『マリサは僕のこと好き?』
マリ『挑戦する勇気を持ったカズが好きだぞ』
カズ『そっか...ありがとう。もう帰るよ』
そう言うとカズは立ち上がり、ルーラストーンでどこかへ去っていく。明日も来るだろうか、と思っていたが、彼はそれ以降来なくなった。
______1ヶ月後______
セン『まりちゃん、ワイの家に来て欲しいんやが』
センシに呼ばれて、引っ越したばかりの家からルーラストーンでセンシの家へ。
マリ『で、なんか用か?』
セン『ふっふっふ。会わせたいやつがいるんや』
なんだ会わせたいやつって。と思ってると、センシの家から出てきたのはカズだった。ちょっと体がビクつく。
カズ『こんにちは』
マリ『こ、こんにちは』
セン『なにやら話したいことがあるそうやで。まりちゃんに』
マリ『一体どうゆう状況なんだよ...』
カズ『すみません、わざわざ来ていただいて。久しぶりにお話したくなったんです』
なんかキャラ変わってね?こんな礼儀正しいやつだったっけ?
セン『そや!また海見に行けばええやろ。デートやなデート』
マリ『うるさいわ!はっ倒すぞ!・・・まぁ、でもいいぞ。また行こうか。』
カズ『はい!』
______風泣き岬______
海の波の音。またこうして2人並んで座り、海を見ている。不思議なものだ。あんなことがあったのに、ストーカーさんとまた海を見てるんだから。
マリ『最近はどうなんだ?調子いい感じ?』
カズ『はい、学校に行ってます』
マリ『おぉ、そっか。いいね。』
カズ『みんなにとっては当たり前ですけど、僕にとっては、大きな挑戦です。』
マリ『そうだな。頑張ってるな』
彼なりの挑戦。馬鹿にするとこなんて一つもない。
カズ『今日はお礼と謝罪を言いたかったんです。僕と出会ってくれてありがとうございます。そして、迷惑かけてすみません。』
人間ってこんな短期間にここまで変われるものなのか...
マリ『ううん、いいよ。』
カズ『ありがとうございます。・・・そういえば、引っ越ししたんですね』
マリ『色々あってな。私の家なくてびっくりしただろ?w』
カズ『はい。隣の家のセンシさんの翼持ってたのでそれで来ました。』
マリ『そっか』
彼はそう言うと、私にとりひきの申請を送ってきます。中身はセンシの家の翼でした。
カズ『もう、あなたには近づかないです。これで最後にします。』
マリ『・・・』
私は翼を受け取ります。これは、きっと、彼なりのケジメなんでしょう。
マリ『カズ』
カズ『はい』
マリ『少しずつだ。無理に、一気に頑張らなくて良いんだ。継続していくことが大事だぜ。そして、1日1日に感謝して生きよう』
カズ『そうですね、そうします。・・・もう、行きますね』
マリ『わかった』
カズ『あなたのことは忘れない』
彼はルーラストーンを取り出してどこかへ飛んでいった。私は風泣き岬の海の音をもう少し聞いて帰ることするのでした。