彼が相談(懺悔)する日はまた近々あるのだろうと思ったがそれからしばらくその類の話はなかった。だがしかし
ユキ『マリえも~ん、今さ、初めて会った人といい感じだったんだけど』
まり『うん』
と、ユキはフレチャで送ってきた。今はその人の家の中にいるようだ。
ユキ『なんか、オダがなんとかって言ってきてよくわかんないんだよね』
まり『オダ?』
なんだオダって
ユキ『俺もよくわかんないんだよね。今までの失敗も兼ねて『俺、結構失礼なこと言っちゃう時がある』って事前に言ったらその人が『きっとそれは私に会いにくるため、あなたは傷ついて私の元へ来たんだよ。』って言ってさ』
まり『うん』
ユキ『そしたら『オダもあなたのこと許してくれるよ』って言ってて』
まり『どゆこと?ユキとその人以外にその家に誰かいるの?』
ユキ『いや、小さい家で家具も何もないから、2人きりだよ』
???
まり『聞いてみたら?何の話かさっぱりわからん』
それから数分経っても、ユキから返信はなかった。オダ…オダ…織田信長…違うな…鳴かなかったら殺されるぐらいだから許してくれなそうだし…
まり『ユキ?』
数分待ってもやはり返事がない。もしかして変な人に関わってしまったか?確かによく見たら宗教の勧誘手前の会話みたいじゃね?
まり『おいユキ!逃げろ!もう危ない匂いがぷんぷんする!』
ユキ『なんか、ネットでサイト調べたら出てくるとか言ってたけど、俺スマホ持ってないから調べれないし、あの人結構年上だったから『俺は年下にしか興味ないのでごめん』って言って逃げてきたわ』
まり『・・・』
ノンデリVS宗教おばさん、ノンデリが勝利する瞬間だった
______後日______
ユキ『マリえもん。相方見つけた。』
まり『そりゃ良かったな』
なんてまぁすぐ振られるんだろなと流してたら。
ユキ『俺さ、高校生の時不登校だった』
まり『どしたの急に』
なんか偉くテンション低いし
ユキ『その時ね、相方いたんだ。俺の初めての相方。その子中学生で不登校。お互い同じ傷を負ってた。でもお互いの傷舐め合ってたから毎日ちょっと救われた気分になってたんだ。』
まり『うん』
ユキ『でもね、ある時喧嘩しちゃって、俺のチームからその子抜けさせたら、次の日フレンド切られてた。めっちゃ後悔したよ。その傷が消えなかったから、他の人で埋めようとした。バカだよ俺は。でも、一昨日、偶然彼女を見つけたんだ』
まり『その相方を?』
ユキ『うん、でも、俺怖くてさ。なんて謝ればいいかわかんなくて。昨日も話しかけようか迷って彼女を遠目から見てた』
いつもの懺悔じゃない。迷いがある。彼はどんなに考えても自分を許せない。だからいつものように自分から答えを見つけれない。それなら
ユキ『やっぱ会わない方がいいよな。俺なんかと』
まり『ユキ、会える人とは、会っておいた方がいいぞ』
ユキ『でも、俺なんかと』
まり『当たり前にいてくれると思ったんだよな。お前は喧嘩してもまたやり直せると思ってその相方とのフレンドは残しておいた。でも、切られた。終いにあんなに側にいてくれた人がもう幻だったかのように思って…当たり前の日常なんてなかったってそこでやっと気付くんだよな』
ユキ『ど どうして?』
まり『お前の気持ち超分かるんだ。でも、お前と相方の繋がりは消えてない。繋がりがあるなら、繋がってるうちに会った方がいいぜ。ビブルカードを持ってたから、ルフィはエースを助けに行けたんだろ』
私から彼に向けて初めてのアドバイスだった。
ユキ『ナルトの方が好きだからそれはよくわかんないけど…でも今日行ってみる』
まり『なんだよそれwま、それがいいぜ』
ユキ『・・・ありがとう、マリえもん』
マリ『あぁ、気張ってこい、のび太くん』
私は彼を送り出すのでした。
それから数年、彼が私の元へ訪ねてくることはありませんでした。彼と相方がどうなったのかはわかりません。でも、私は今でもフレンド欄を開いて彼の隣に、いつも1本の青いピンが立っているとこを見て微笑んでいるのでした。