好きなものを身につけるって気分がいいよな。私だったらこの帽子だぜ。この帽子はな...ってそんな話したら2000文字すぐに越えちゃうな。てことで、今回はマントをこよなく愛す彼女のお話。
______アズラン住宅村______
ハツネ『要するに、マントはとってもかっこいいってことなんですよ』
赤いマントが目立つハツネ(仮名)は私にマントの良さを熱弁していた。彼女はテンの日で開催されたフレンド探し隊で出会ったフレンドである。
マリ『すまん、聞いてなかった。なんだっけ』
ハツネ『例えばね、スーパーマンっているじゃないですか』
マリ『いるな』
ハツネ『あれからマントを取ったらどう見えますか?』
マリ『どうって...』
ハツネ『そうですね、ただのタイツ男になってしまう。タイツマンですよそれじゃあ。スーパーマンはマントが着いてるからかっこよく見えるんです』
そうなのか...?
ハツネ『じゃあ、怪盗キッドもマントをつけてますね。あれからマントをとったら?』
マリ『うーん...』
ハツネ『そうですよね、365日白タキシード結婚式野郎ですよね。マント着いてるから怪盗キッドはかっこよく見えるんですよ』
いや、もっとかっこいいとこあるだろ...声とか
ハツネ『その他にもマント着けてるかっこいいキャラはたくさんいます。バットマン、メタナイト、ガッチャマン...』
と延々にマントを着けてるキャラの名前をぶつぶつとハツネは喋り続けた
ハツネ『要するにマントはとってもかっこいいんです。そしてこの世界にもマント着けてる有名人がいますよね。そう、勇者姫アンルシアですよ。なのでマント着けてる人は勇者ってことなんです』
そんな簡単に勇者になれるの!?血筋とか選ばれし者とか剣を引き抜いた者が、とかじゃないの!?
ハツネ『さぁ、マリサさん、あなたもマントを着けましょう。白宝箱からゲットしにいきますよ!』
マリ『えぇ!?私も!?』
こうして、私のマントを手に入れることになってしまい、白宝箱から20分程かけてマントが着いてる装備を入手した。
マリ『や、やっと出たな...』
ハツネ『いいですね、似合ってますよ。さ、次行きましょう』
え?
マリ『これで終わりじゃないの!?』
ハツネ『何言ってるんですか。課金以外のマント装備全部取りに行きますよ。大丈夫です。私は全部持ってるので手に入る場所はわかります。』
モンスターをちぎっては投げ白宝箱を出していく。マント以外の装備が出たりと結構時間がかかってしまう。数時間していく内にマントを求めてる自分がいることに気づいてしまった。とうとう私も毒されたか。 そして時がきた。
マリ『出た!出たぞ!』
ハツネ『やりましたね!これであなたも勇者ですよ!』
お互いにマントを着けてはしゃいでいた。
ハツネ『私は勇者だぁ!』
マリ『き、急になんだよ』
ハツネ『マリサさんも復唱してください!私は勇者だぁ!』
マリ『わ、私は勇者だー』
ハツネ『もっと元気よくです!私は勇者だぁ!!』
マリ『私は勇者だぁぁ!』
ハツネ『私は勇者アンルシアだぁぁぁぁあ!』
マリ『いやそれは違うだろ』
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預かり所にしまってあるマントを見てると彼女とのそんなやりとりを思い出す。ただやっぱり私にはマントは似合いそうもないのであれ以来ずっとしまって埃をかぶってることだろうな。
そして新しいマント装備が出る度に思う。きっとハツネが喜んでるって。