わたしの後ろにいる彼はお米屋さん。
別にお米を売っているわけではなく、そういう名前のスライム。
私のバイクに単身あたりやしてきて、愛車を傷つけられたわたしにゼリーになる手前まで叱られて清く正しくなったスライム
最近、わたしと彼はチームイベントのスライムレースに向けて二人三脚、血反吐やスライム細胞を吐くようなトレーニングを毎日こなしていた。
それこそ、雪山に半袖短パンで付き合うほどわたしも真剣にお米屋さんに付き合っていた。
そう今日までは…
今日。わたしの元に届いたニュース。
レースに出る資格があるスライムは、レース場で選ばれたスライムだけというもの。
そう、お米屋さんにはレースへの出場資格が、ないと言う、今までの苦労を水の泡とかすものだった。
私個人は諦めがまだつく、だがこのレースに出る事だけが生きがいだった彼に、なんと伝えればいいのだろうか。
散々悩んだ末、涙を堪え私は彼にこう言った。
「ゼリーとシャツどっちが好き?」