青い世界を抜けて、渡し船が着く桟橋へ。
海に浮かぶ城、ヴェリナード城へやって来た。
名前忘れちゃったけど、有名な建築家が手がけたらしい。
流れ落ちる水と色鮮やかなタイルが美しい、とても上品な城だ。
ちょっぴりソワソワしながら、町を散策。
ぐるぐる廻って、この町にしかないというアクセサリー屋へやってきた。
「てめぇっ!ふざけんなっ!」
中からすごい剣幕の声がきこえる。
「ちからのゆびわに何で守備力がつくんだよっ!攻撃力だろっ、フツ―!」
ガンッバンッ!!
中を覗こうと取っ手に手をかけた瞬間、すごい勢いで扉が開いた。
中から出てきたその人は、手に持った何かを投げつけようと振りかざし・・そのまま静かに下した。
「苦労して手に入れたのに・・・」
ポツリとつぶやいたその表情は、悔しそうな悲しそうな・・・とても複雑な表情をしていた。
お店の中には、さまざまなアクセサリーが並んでいた。
とても買えないけど、見るだけ・・・と鏡で合わせてみる。
「お客さん、それいーでしょ。合成とかもやってるんで、よかったらどーぞー。」
カウンターの向こう側から声をかけられて、さっきの人の顔が頭をよぎった。
「アクセサリー・・・持ってないんで。」
なんとなく、場違いなところに来てしまった感じがして、そそくさと店を出た。