「えぇーと、確かこのあたり。」
タカのツメさんから新居の案内をいただいたので、イリアと一緒にやって来た。
ジュレット住宅村、未開のジャングル地区。
緑が生い茂る自然豊かな場所を、冒険者のために分譲している。
「いいなぁ、家かぁ。」
通りすがりの新築の家を横目で見ながら、手紙にある番地を目指す。
「あ、あれじゃない?」
イリアが指差した方向に、味のあるおしゃれな色のテント風の家が見えた。
自然豊かなジャングルと共存するような、布と木で建てられた冒険家らしい家だ。
「お、お邪魔しま~す♪」
タカさんはお留守だったが、手紙に自由に入って~とあったので、入口の布をくぐる。
中には、たくさんのお料理やドワーフ酒が用意されていた!
ふたりであんまり食い散らかすの悪いよね~と、最初はエンリョがちだった箸は、ドワーフ酒とともにどんどん進み・・・
気づいたら、女ふたりでテーブルふたつ分の料理をほとんどたいらげていた!
「・・・ラン、食べすぎでしょ。」
「・・・イリアこそ。」
「・・・・・。」
手紙に、ジュレット住宅村のうるわしの浜辺地区から見える夕日がすごくキレイだよ、とあったので寄り道した。
「はぁ・・・。夕日キレイだねー・・・。」
「うん・・・。」
「・・・・・。」
「やっぱりラン、食べすぎだよ。」
「・・・イリアこそ。」