「ふー。久しぶりの修行、疲れたなぁ」
ジュレットの自宅に帰ると、家の立て看板に冊子らしきものがくくりつけられていた。
「なんだこれ?」
表紙に「おしゃれバトン」と書かれている。
メモがついていた。
『お気に入りのいでたちを書いて、ラン殿のともだち男女各1名にまわすのじゃー。 あさげ』
パラパラとめくってみると、いろんな人がおしゃれな装備を写真付きで紹介していた。
「おおーー。この服かわいー♪こっちはすごくカッコイイ!」
こたつに入ってみかんをむきながら、見入ってしまった。
「お気に入りのいでたちかぁ・・・。これしかないしなぁ」
ずーっと着てる旅芸人の衣装。
旅芸人のヘアバンドを外して、そっと羽根に手を触れる。
ちょっと考えて・・・ペンを取り出した。
------------------
お気に入りの旅芸人の衣装でーす。
ずっと着ています♪
ヘアバンドには、見つけるとしあわせになるっていう青い鳥の羽根♪
以前、ミュルエルの森にいるってウワサを聞きつけて行ってみたけど・・・
青い鳥は見つけられませんでした。残念っ。
でも、羽根が一片落ちていたのを見つけて、ヘアバンドにあしらってみました♪
しあわせになれるといーな♪
------------------
でーきたっ♪なかなかロマンチックじゃない?
ブルーリリィで染めてもらいましたなんて、恥ずかしくて書けないしw
「ところで・・・これ1冊しかないのに、どーやってふたりに回そう・・・」
しばらく考えて、意を決してナイフを取り出す。
背表紙に当てて、紙が破れないよう割いていった。
カミハルムイのよろず屋で、質感が近い厚手の紙を買う。大きさを合わせてナイフで切る。
はみださないようにのりをつけて・・・表紙と裏表紙をそれぞれ作り上げた。
「よし!まわしに行くか!」
2冊になったノートを持って、家を出る。
1冊は、いつもおしゃれな服を着てるよんよんさんっ!
もう1冊は・・・ロッシでいっか。