「お客さん、これオススメだよ。『必勝人狼!各職のふるまい方』10万Gでどおだい?」
「うーん・・・。高いなぁ。こっちの『スライムでもできる人狼』にします」
古書店で買った本でちょっぴり予習して、人狼ハウス「たんたんズ」に向かう。
どきどきしながら、お店のドアを開けた。
キョロキョロしながら、観戦席に座って待つ。
ゲーム開始時間が近くなると、続々とひとが集まってきた。
役職が振り分けられて、いよいよゲームスタート!
どういう視点で戦うんだろうと、観戦席で耳をすませた。
・・・・・。
全然、何言ってるか分からないーーー!
内心、涙目になりながら、観戦ルームで質問をする。
「すみません。coってなんですか?」
「すみません・・・。グレランってなんですか・・・?」
観戦席の常連さんは、丁寧に教えてくれた。
ルールの把握が甘すぎて、全然ついていけなかったけれど、不思議と疎外感はなかった。
テーブルを囲んで発せられるやりとり、観戦の輪で飛び交う考察。
少しでも理解したい!この輪に入りたい!
そう思うくらい、熱くてワクワクさせられる雰囲気がそこにあった。
「ひとり残してごめんねー・・・」
「○○さん、真だと思った~」
終わったあと、村人陣営、人狼陣営、観戦者、全員で口々に感想を言い合う。
ああ、人狼ゲームの面白さは、ゲームそのものだけでなく、終わった後の余韻にもあるんだ!
お互いを称えあう参加者たちは、とても満足そうだった。
「トンさん、次は参加で。私も1回見学して、やりながら覚えたから♪」
ベテランの参加者さんに声をかけてもらって、飛び上がるほどうれしかった。
たっぷり2時間越えの観戦。
満足はしたけれど、やっぱり参加できた方が楽しそうだな・・・と、素直に思った。
人狼ゲームの後、レモネクロスさんがワード人狼を開いてくれた!
ランが、初めて行ったけどめちゃくちゃ面白かったって言ってたやつだっ!
うれしーーー♪
椅子に座って、ゲームスタート!
配られたワードから、相手側のワードを予想する。
(この質問したら、ワードバレるかなぁ。)
(え?みんな茶色?オイラ少数派かも・・・。)
3戦はあっという間で、めっちゃくちゃ楽しかった!
お店を出ると、もう真っ暗。
家に帰って、貯金箱を開ける。10万Gをおさいふに入れた。
「明日、古書店に行って、あの本買うぞーーー!」
ワクワクしながら、ふとんをかぶった。