とある、アズランの酒場。わたしは無言誘いを受けた。
振り返ると初期服に両手剣のプクリポ、レベル18。わたしは魔法使いレベル55だった。
「どこへいきたいの?」わたしの問いに彼は「?」で返した。
(キーボードがないのかな?)
まあ、新人さんの手伝いも悪くないと思い誘いを受けた。
すると彼はすぐさま外へ飛び出した。
街から出るとすぐついてくるをされたw
「ひとまずレベル上げる?」「OK!」botかも知れないと思いつつわたしは近くで狩りを始める。彼はそれでも真面目に戦う。なるべく彼にとどめを刺させた。
とうぜん、アズラン近辺ではなかなかレベルも上がらない。わたしは少しづつ誘導してカミハルムイに連れて行こうと考えた。
カミハ領南で「むかしはみんなここでレベルを上げていた。」とかドヤ顔しようと思っていたのだw。
ところが、イナミノ街道でウロウロしているうちに彼の様子が次第におかしくなってきた。慣れてきたのかいろいろしゃべるようになってきた。そして…
「こっちこっち」
彼はドルボードを取り出し、わたしを呼ぶ。わたしがついていくと彼ははっきりと目的意識を持ってわたしを先導する。わたしは次第に主導権を握られていくことに不安と同時になにかわくわくするような奇妙な感情を持った。
それは以前、全く知らないこのアストルティアという世界を一人で駆け抜けた、あの気持ちに似ていたかもしれない。
わたしは、初めて会った彼に振り回されていることを楽しんでいた。
彼の目的地はスイの塔。(ちょっと待て)わたしは思った。繰り返すけどわたしは魔法使い、レベル18戦士の彼のほかにメンバーはいない。救いはわたしのレベルが55あること、しゅくふくの杖を持っていることくらい。
彼は慣れていたwモンスターをすり抜け、瞬く間に最上階にたどり着いた。
「やる気?」わたしの問いに「準備OK?」と彼は返した。
戦いはわりと楽に勝った。彼はここでいったん終わると言い、ログアウトしていった。
一人残されたわたしはなにか夢を見ていたかのような気がしていた。
残ったものは上の写真とスマホに残したチャットログ…。
結局彼は、誰かのサブかもしれない。いいように利用されただけかもしれない。でも、このまぼろしのようなできごとは楽しい記憶としてわたしのなかに残されたのでした。