Ver4.5終了後のサブクエまでのネタバレを完全に含みますので、まだの方はここで閉じてください。大量に改行入れます。長文です。二千字の限界に挑戦してみました。
お題はタイトルの通りです。
ドミネウスは嫌いだという人も多いでしょう。そこを敢えて弁護していきます。
きっとお父さんには愛されなかったのでしょう。時見の力が弱くてパドレに王位継承権を奪われそうになってますからね。どんな事情があったかは分かりませんが、これが後のドミネウスを形成する大きな傷になっていきます。
もう一つはサブクエで明らかになるベルマのお母さんの破滅です。ドミネウスと彼女は本当に愛し合っていたのでしょう。ところが時の指針書が二人の中を破滅させた。これはおそらくキュロノスの差し金でしょうね。彼女はドミネウスの唯一の理解者だったのだと思います。それを失って、酒に溺れるように時見の箱に傾倒していくのは分からなくもありません。
彼が国民や家族にやったことは到底許されることではありませんが、彼も時見の箱の犠牲者でもあります。きっとお父さんが愛さなかった最大の理由は時見の箱の介入だと思いますしね。
では、ドミネウスを追い込んだ時見の箱ことキュロノスはどうか、ということですね。
彼は彼で生まれたくて生まれた訳じゃない訳です。意志をもった災害に近い。邪悪な信仰で歪んだ破壊神みたいなものでしょうか。
考えてしまうわけです。ドミネウスみたいな人間の歪みがキュロノスをより歪ませていく、そしてキュロノスは更に歪み、ドミネウスみたいな存在を増やしていく。この連鎖はどうすれば防げるのか、と。
結局ドミネウスもキュロノスも主人公に倒されるわけですが、ご存じの通り、とんでもない犠牲を強いられることになりましたからね。
ここで考えるわけです。一番悪いのは誰なのか、と。
ドミネウスには確かに更生するチャンスは何度もあったはずです。そしてどんな理由があったにしろ、やったことは到底許されません。嫌われて当然です。
でも、更生するきっかけを時見の箱が全部奪っていったわけですよ。パドレが力ずくでキュロノスに操られたみたいに、ドミネウスがどう足掻いても結果的に時見の箱に操られる未来は変えられなかったのではないか、と。
そうするとキュロノスが悪いのかという話になりますが、言ったとおりキュロノスを産んだのは人の歪みです。彼を災厄へ変えたのは人です。彼は変わりようがない。彼も人間の犠牲者といえば犠牲者です。
じゃあ誰が悪いのか、って遡っていくとキリがないんですよ。代替わりによる王の劣化を見抜けなかったキュレクスにも責任があるしって。
突き詰めると人類そのものが悪って極論に達しちゃいますからね。
そして人類そのものが悪だという嫌悪感から自我を芽生えさせてしまったのが、キュロノスだったわけです。
善悪って突き詰めるとキリが無いんじゃないかって思ったりするんです。
ドミネウスが悪か、キュロノスが悪か、なんて断じることは簡単にはできませんからね。
ただ、これが好悪になると別です。
ドミネウスは嫌い。キュロノスも嫌い、で済みます。嫌いなものを理解する努力は時として必要かもですが、嫌いなものは嫌いでも別にいいです。私カタツムリとブロッコリーが嫌いですが、好きになろうとは思いません。そんなもん好きな人が愛でればいいのです。
カタツムリは嫌いだから悪だ。滅ぼすべきだ、なんて言い出したら、カタツムリ側からすればとんでもないですよ。一見どんな理由つけたってやられる方からすればとんでもないのです。
それこそ理由つけてドミネウスたちの犠牲になった人たちみたいになってしまうわけです。ドミネウスたちが悪として断罪されたから彼らは犠牲者として認定されましたが、でなければ国家権力に逆らった反逆者になってしまうわけですよ。
話が脱線しまくりましたが、善悪の断罪って難しいですよね。
そして結果としてドミネウスもキュロノスも主人公に倒されることで役割を全うしたわけです。そしてエテーネ王国は平和を取り戻したという事実だけは揺らぎません。
善悪の断罪は最終的には歴史が行います。
善悪の判断は個人には難しすぎるから、もう好悪だけで考える方が楽なんじゃないかなって思いました。それが積もり積もって善悪になるんでしょうし。それが良いことなのか悪いことなのかは分からないですけど。
なんてことを眠れない夜にぼんやりと考えてました。
もし機会があればクオは何故好かれ、ドミネウスが何故嫌われるかもやってみたいですね。
あと最後に。
ディベートですから、ドミネウスを弁護してきましたが、私も別にドミネウスが好きな訳ではありませんw