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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2016-10-02 18:19:54.0 2020-12-20 20:41:44.0テーマ:その他

街談機関 その3 「雪が抱く偽物の奇跡」7


俺は岩陰に隠れたまま、このドラゴンの対応策を考えた。
正面からの戦闘は真っ先に却下した。繰り返しになるが、俺の戦闘力は、そもそもこの渓谷を歩くには大分足りない水準にある。ましてや、相手は戦闘推奨レベル90に届く怪物だ。とち狂ってあのドラゴンの前に立とうものなら、数秒でこちらが粉砕されてしまうだろう。
となると、上策はあのドラゴンに気付かれずに脇を通り、さっさと奥に進んでしまうことだが…周りを見る限り、それも簡単そうではなかった。
まず、道が狭い。
地図によると、現在地は三叉路に入る手前の位置。俺の進行方向から見て、真正面と右手方向に道が伸びている。幅は目測で、人間4人がぎりぎり横に並べる程度である。左手は深い崖、右手は高い壁になっている。
問題のカイザードラゴンは、この三叉路の交差点、ど真ん中に居座っていた。
俺が目指している大雪柱は、三叉路のうちの真正面の道を進んだ先にある。脇を通るにしても、絶対に奴の視界に入ってしまう。
かといって、崖側を雲梯の要領で進んでいくのもかなりリスキーだ。体力には自信があるが、崖の側面はかなり丸っこくなっていて、手をかける余裕がない。渡っている間に奴に見つかって襲撃でもされたら、生き残る術は皆無。リスクに対してリターンが低すぎる。
状況的には、このまま岩陰に隠れてドラゴンをやり過ごし、道が開いたら先に進む…というのが一番良さそうだ。うん、わざわざ危険を冒して進むほど急いでいるわけではないからな。どんくらいかかるかわからんが、しばらく待ってみよう。

しかし、何をいらついているのか、カイザードラゴンもかなり殺気立っているようだ。さっきから鼻息を荒くして、時々咆哮を上げていた。やや距離があるせいでいまいちわからないが、腹に若干の刺し傷が付いているようだ。
誰かと戦闘になったが、中途半端に傷つけられたところで相手が逃走、そのまま見失って苛立っているといったところか…とまで考えたところで、重大なことに遅まきながら気付いた。
この渓谷には既に人間の「先客」がいる。それも、カイザードラゴンとある程度渡り合える実力を備えた奴だ。
いや、戦闘力の有無はこの際関係ない。問題は、その先客が何の目的でこの渓谷を探索しているかということだ。
この渓谷で拾える素材は、大した品目ではなかったはず。遺跡が近くにあるわけでもないので、大したお宝が隠されている可能性も低い。誰かこの渓谷で散った、先駆者たる冒険者の「遺品」が落っこちている可能性はあるが、わざわざ拾いに来る奴がいるだろうか?
この時期、この状況で危険を冒してまで、この渓谷に来る理由。俺はそれが、例の「花」と無関係であるとは考えられなかった。
俺よりも先に、いやしの雪中花を取りに来ている奴がいる!
えらいことだ、ここまで苦労して進んできたのに、このままでは誰かに花を採取され、手ぶらで下山する羽目になる。そうなる前に大急ぎで大雪柱にたどり着いて、花を採取してこなければならない。
焦る頭で、俺は再び目前のカイザードラゴンを見た。間に合うかどうかわからんが、このドラゴンはさっさと突破しなきゃならない!
カイザードラゴンの隙を付いて、駆け抜ける!気は進まないが、それしかなさそうだった。

俺は、手持ちの中で戦闘に使える小道具を軽く確認し、ほんの少し勝算を考えてから、すぐに走り出した。
事前に危険性を散々考えた挙句に、結局は正面から特攻まがいなことをしでかしている訳だが、この際だ。物陰でやり過ごすよりは、さっさと行動に移って、行き当たりばったりで対応していこう。

俺が岩陰から出てすぐに、向こうさんもこちらに気付いた。俺の遥か頭上にある、ドラゴン特有の無機質な目玉が、こちらに向いたのを感じた。
俺は相手の顔をまともに見ていないのに、虫のように蠢く嫌な空気が、こちらを射止めるように吹き付けられたのを感じた。ああ、これがただの『視線』だってことが信じられない。エルフどもの言葉で『蛇睨み』っていうのか。目と目が合っただけであっさり死ねるんじゃなかろうか。
とはいえ、相手の視線を把握していないと、戦闘では命取りになりかねない。いやいやながらも、俺はカイザードラゴンの顔を見た。
そして、やっぱりというか、カイザードラゴンはちょっとの怯みもなく、殺(や)る気を漲らせて、猛烈な殺気を放って俺の方を見ていた。
あの顔、絶対「この苛立ちを誰かにぶつけたい」とか思ってる顔だ。知らない相手を傷つけたくないとか微塵も考えてない、むしろ世界の全てが自分の敵であるとか言い出しそうな、獣特有の、いっそ清々しいほどの身勝手な怒りを、こちらにぶつけていた。

(続き・http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/4337497/)
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