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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2016-12-04 22:06:02.0 2020-12-20 20:42:19.0テーマ:その他

街談機関 その3 「雪が抱く偽物の奇跡」9


左腕が痛い。戦闘中は興奮で気付かなかったが、どうも左腕が折れてしまったようだ。

カイザードラゴンをやり過ごした数分後、俺は雪で全面覆われた、巨大な柱上の物体の足元にたどり着いた。どうやら、これが大雪柱であるらしい。

そこまではいいんだが、先ほどのほんの1回の戦闘で、俺はほぼ全精力を使い果たしてしまって、大雪柱の壁にへたり込んでしまった。
さっきから、カイザードラゴンのアッパーカットを盾越しに受けた左腕が猛烈に痛む。指先を動かすことは何とか出来るが、腕を持ち上げようとすると激痛が走った。

どうやら、この辺りは魔物がいないらしい。大雪柱にまとわりつくように出来た螺旋状の道を進んだ先に進んだらわからないが、少なくとも、今俺がいる入り口付近だけは、魔物がいないようだった。日は傾いているが、天候は晴れているため視界良好。道筋さえわかれば、むやみに走り回って遭難する心配もない。

俺は左腕にホイミをかけ始めた…といっても、盗賊仕込みの「チョイミ」(回復量が雀の涙ほどしかない、しょぼいホイミ)だから、傷の治りは猛烈に遅い。ただでも呪文は苦手なんだ、左腕の完治まで時間がかかりそうだった。これが本職の僧侶なら、もっと手早く治るんだろうが。

とはいえ、このままずっと壁にもたれかかっている訳にもいかない。俺がさっき推測した「先客」の姿が見えない。さっきのカイザードラゴンの様子からして、先客がいるのは間違いないのだが、どうやらもっと奥に進んでしまったようだ。これは非常にまずい事態だ。もたもたしていると、雪中花を先に取られてしまう。
というか、これほど奥まで来て「先客」と鉢合わせていない時点で、花は既に取られてしまっているのかも知れない。

あれだけの死闘(全力逃避とは言ってくれるな)を演じて、左腕折ってまで大雪柱にたどり着いた挙句手ぶらとか…
「トレジャーハントの獲物に叶う貴重品は早い者勝ち」とは言ったが、実際自分が取り損ねる側に回ると、ここまで酷い気分になるのか…いやあ、知ったような口は利かないもんだ、自分の言葉が自分に返ってきてしまうのはあんまりにも堪える。
強奪という手も考えないではなかった。だが、冒険者倫理にもとる行為である以前に、今の自分のモチベーションとコンディションでは、カイザードラゴンと立ち回る冒険者には太刀打ちできなそうだ。流石にこんな悪路で人間相手に喧嘩するほど堕ちてはいない…と思いたい。
ここに来て敗色濃厚。嫌になってしまう。

考えようによっちゃ、前金100万で十分収穫はあるのだが、クエスト失敗という風評はどうしても残る。もともと無いような評判を気にする必要もないのだが、心情的にも「仕事に失敗してしまった」という事実はとてもよろしくない。どうせなら胸を張ってクエスト屋に報告に行きたかった。
しかし、この状況ではそれも絶望的だろう。

幸い、この大雪柱を登らずに脇を通った先に、渓谷の入り口までのショートカットがあるから、帰りの道は確保できている。せめて、花が残っているのか採取されたのか確認してから帰ろう。先客が上手いこと花を見落としてくれたら、花を入手出来る可能性もワンチャンあるし…

というところまで考えた辺りで、腕の痛みがようやく引いてきた。まだ結構痛いが、大雪柱に着いた頃と比べたら大分マシになった。代わりに、MPがすっからかんになったけど。

気を取り直して、大雪柱の頂上を目指して移動を開始しようとした矢先、妙なものを見つけた。

(続き・http://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/4454733/)
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