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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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写真コンテスト

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アオマリモの冒険日誌

2020-07-27 19:48:40.0 テーマ:その他

創作企画作品「脳髄をすするもの」

「しわ」様主催の創作プレイベ「DQ10マイキャラ創作05」投稿作品を、記録用に記載。

===

我が親友、ピカタの異変に気付いたのは、彼がカミハルムイの長屋に居を移してしばらく経ったときである。

そもそも、ピカタというドワーフは元来、運動を好まぬヒトだ。
俺の地元では、独り立ちする者の半数は冒険者の道を、もう半分は学者その他、街に引きこもる道を選ぶ。生来の本の虫であるピカタは、男なら一度は憧れるだろう冒険者の道を一顧だにせず、迷わず学者の道を選び、図書館に引きこもった。

そのピカタが、よりにもよって鉄の大剣を長屋に持ち込んだと聞いたときは、腰を抜かすかと思った。かつては片手剣の素振り10回で脱臼を起こした男だ。両手剣など扱ったら、早晩修道院に駆け込むかもしれん。
心配になった俺は、ピカタの住む長屋を訪ねた。
半月ぶりに会うピカタは、心なしか精悍な顔つきをしていた。

「やあ、ジャック!こっちには仕事で来たのかい?」
「おう、軟弱モンが大剣を長屋に持ち込んだって聞いてすっとんで来た。なんだ、両手を脱臼してんじゃねえかと思ってたが無事じゃんか。台車で引いてきたのかよ?」

この辺の軽口はいつものやり取りだ。普段のピカタなら、困ったような顔をしながら、軽口の応酬に応じる…のだが、その日の彼は露骨に機嫌を悪くした。

「ちょっと、仮にも『同業者』に向かって体力の無さを貶すのは無礼だよ。流石にイラッときた。なんなら、表に出て斬り合いでも…」

「あ…?いやいや待て待て、そんなつもりはねえよ。なんだ、そんな機嫌悪くするとは思わなんだ、悪かったよ」

「…フンッ」

鼻を鳴らしたピカタは、また大剣を磨き始める。

「大した用がないなら、もう帰っておくれよ。明日は早いんだ。なにしろ、夢幻の森のヘルシーサーを倒しにいかなきゃならないからね」

そのセリフを聞いた俺は、軽い目眩を覚えた。あのピカタが!草食男子を絵に描いたような男が!冒険者みたいなこと言ってる!

俺はピカタの変貌ぶりを問い詰めようとしたが、さっさと追い出されてしまった。

彼の変貌ぶりはなんなのだろう。実は学者という道に挫折して、結局は冒険者として鍛え直したのだろうか?いや、半月前はまだ、いつものなよ竹のような有様だった。流石に半月だけの修行で、あれほど精神の変化が起こるものか?

学者畑の人間が、急に冒険者のように振る舞うような化けっぷり。その急激な変化に、言い様の知れぬ不安を覚えた。
何故なら、そのような豹変を起こす事象に、ひとつ心当たりがあったからだ。
もしも予想通りなら、ピカタは恐るべき災難に行き合っていることになる。

===

その晩のこと。俺はカミハルムイの北の裏通り、その入り口に立っていた。
暗がりは通路に張り付くように広がり、一寸先も見通せぬ。
俺は知り合いに借りたお札を身につけ、通路に足を踏み入れた。
途端、甘ったるい香のような匂いが鼻に飛び込んだ。通路に入る前は、まるでしなかったというのに。
頭をひりつかせるような香りに顔をしかめながら、路地を通り抜けた。

果たしてそこには、白目をむいて倒れるピカタと、彼にまとわりつく『何か』があった。
『何か』。何か、としか形容できない。呪文のスカラのようなオーラに見えるが、ピカタの耳を通り、頭部を舐め回すような奇怪な動きを示すそれは、むしろ生き物のように見える。しかし、俺はこんな不気味な生き物を他に知らぬ。
面妖な光景に内心びくつきながら、俺はすべきことをやった。
簡単なことだ。『何か』の名前を呼ぶだけだ。

「脳髄を舐めるもの、『マシラの舌』、お前の飯を離せ」

だだそれだけで、『何か』は霧の如く消え去った。

===

ピカタは、それから30分も経たないうちに目覚めた。話を聞くに、ここ3日ほどの記憶がないらしい。俺に会ったことも忘れていた。しかも、両手を脱臼してることに、今の今まで気付いてなかった。

「うそ…なんで僕、両手剣なんて持ち込んだの…?」
「お前、実は冒険者に憧れてたんじゃないか?『あいつ』は、支配したものの願いを叶える代わりに、支配したものの『知識』を食う。そういう生き物--というか、お化けだって聞くぞ」

「な、なんで知って…?」

「いやあ、なよ竹小僧が冒険者に憧れるなんて、ほんとにあるんだなって」

ヒェッと首をすくめるピカタを背負い、俺は修道院の治療所へ向かった。(了)
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