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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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アオマリモの冒険日誌

2024-03-31 22:08:01.0 2024-03-31 22:13:29.0テーマ:その他

街談機関 その9「それから」11


***

「……結局、何のためだったんだろうか」

 夕方。その日最後の訪問先を訪れた後、ガタラの町中を歩きながら、隣のポポムに聞いた。

「どの話?」

「コップの件だよ。なんかわけわかんないくらい難しい曲芸をやってまで、なんであんなことを起こしたかわからないよなって」

 俺は口をへの字に結んで腕組みした。いや、決してメドローア説を信じたわけじゃないけど。あんな無理筋を実行できる奴がいたら、頭がおかしいどころの話じゃない。

「確たる動機はないと思う」

 ポポムは即答した。不機嫌そうな顔は相変わらずである。

「コップを壊したとき、あのヒトはあんたの家族を脅すようなことを言って、あんたを怒らせたのよね?
 多分、キリンが用意したあの食事会の目的は、あんたの症状のカウンセリングであるのと同時に、あんたをわざと怒らせて、自分への敵愾心を募らせることだったのよ。
 聞いた限りだと、キリンは最終的にあんたを自立させ、自分の元から去らせることが最終目標だったわけよね。その『旅立ち』の際、下手に自分に懐いて、付いてこられては困るわけじゃない?だったらいっそ、あんたから嫌われている方が都合がいい。だから、事あるごとにあんたの神経を逆撫でして、あえて嫌悪感を募らせるようにさせていたんでしょうね」

「……まあ、なんとなくわかるけど。それがあの曲芸とどうつながるんだよ」

「あんたの隙を作るため……以上の意味合いはない、と私は思ってる。キリンからしたら、あんたに嫌われたいとは思ってるけど、かと言って下手に挑発して乱闘になって、目立ってもいいことはないでしょ。
 だから危ない線を越えそうになったら、あんたの見ていないところに仕込んだトリックで気を引いて、その隙にあんたの急所を突いて大人しくさせる……そのトリックが、今回はたまたま『パァンッという音』だったと。そんなとこじゃない?」

「そ、それだけ!?そんなことのために、あんな曲芸をするのか!?」

「するする。あのヒトは、わりとその場のノリで生きてるやつよ」

「め、迷惑すぎる……」

「今頃わかった?」

 ポポムは肩をすくめて、チカラなく笑った。もうあのヒトのことは諦めたという哀愁が漂っている。心中察するに余りある。

 ガタラの町中をぼてぼてと歩いていると、向こうの方にがれきの山が見えた。
 がれきの山の裏手は、木枠で囲まれたガタラズスラムの入り口である。昼なお暗い貧民街は夕日の光も寄せ付けず、いつもと変わらぬ陰鬱な様相を晒している。
 気付くと、ポポムはガタラズスラムの方向をじっと睨んでいた。別に貧民の暮らしに心を痛めるとか、そんな殊勝な考えはあるまい。きっと、仕事のことで思考をぐるぐる巡らせている。

「……まさか、あんな逃げ方をするとはね」

 ぽつりとポポムがつぶやく。俺はなんとなく誰のことを言っているかわかった。つい数日前まで、ガタラズスラムでせこい商売をやっていたオーガのことだろう。

「あのおっさん、取り逃がしたって?あんたの管轄じゃないんだっけ」

「私とは別の警視長の指揮で追っていたのよ。そいつ、今も血眼で調査してるわ。自分の首が吹き飛ぶ瀬戸際だから当然ね」

「へえ……そのわりに、裏クエスト屋について詳しそうだけど」

「個人的に腐れ縁なのよ、その渦中の人物とは。一時期行方を追っていたこともあるけど、今は担当じゃないし、もう知らんぷりしてる」

・続き:
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/7768951/
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