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自宅の菌類

アオマリモ

[アオマリモ]

キャラID
: RU977-303
種 族
: ドワーフ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 130

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アオマリモの冒険日誌

2024-04-25 22:21:45.0 2024-04-25 22:27:23.0テーマ:その他

街談機関 その9「それから」23


 その様子を見た化け狸が、不審そうに話しかけてきた。

「なあ、あんたとあのヒト、どういう関係なんだ?」

「……逆に聞きたいんだけど、お前はどこまで知ってんだ?」

「何も。あのヒト、命令を出すばっかで、身の上の類は全く話さねんだ。だから、あのヒトがあんたにあそこまで執着する理由がさっぱりわからん」

 化け狸は首をかしげながら言った。なんかポポムも同じようなことを言っていた気がする。キリンのやつ、自分に関することは本当に誰にも言ってないんだ。

「そんなん、俺が聞きたいくらいだよ……お前の方こそ、なにか見当つかないのか?普段の印象から推測もつかないのかよ?」

「わからんから聞いてる。あんたの方がちゃんとあのヒトと喋ってると思うぞ」

 化け狸と出口のない押し問答を繰り返してしまったが、俺にもわからんものはわからん。お互いにうーんと唸って、黙りこくってしまった。
 沈黙に耐えかねて、俺は別の話題を口にした。

「そういや、お前はあのヒトとどうやって知り合ったんだ?」

 俺の質問に、化け狸は遠い目をしながら、重々しく口を開いた。

「面白そうなヒトだなと思って、自分から近づいたんだ……恐ろしいヒトだった……」

「……お、おう。自業自得だな……」

「真面目に言うと……詳細は省くが、当時の俺は泥棒としてのスキルアップを図るため、都市伝説の魔法使いたるキリンに師事したいと思って、居どころを探してたんだ。
 うまいこと居場所を突き留めたら、逆にあのヒトに捕まって、あれよあれよと取引するうち、顎でいいように使われる立場になったって感じだ。
 ……今思えば、あのヒトはちょうど手足になるやつを探してたのかもしれねえ。それでわざと手がかりを残してたんだ。本気で隠れようとしたら、俺様でも面会は叶わなかっただろうよ」

「……」

「そういう魔法使いだ。あのヒトの一番の武器は、魔法でも頭脳でもなく、目的を達するための冷酷性だと俺様は思う。あのヒトが本気になったら、どんな戦士も策略家も敵わないだろうよ。
 ただな……あのヒトは、虫を殺すようにヒトを殺す、恐ろしいヒトだ――ってのが、今までの俺様の印象なんだが。最近、どうも違うような気がしてきた」

 しゃべっていて頭が整理されたのか、化け狸は口に手を当てながら考え込んだ。

「……それは、なんでだ?」

「他ならぬあんたのことだ。あんたに関することとなると、あのヒトの行動がぶれっぶれになるんだ。まるでくしゃみをして羽ペンの筆跡がぶれるかのように、計画がずさんになる……あのヒトの命令が行き当たりばったりのように感じたのは、俺様にとって初めてのことだ。
 オールドレンドア島の作戦だって、あれ俺様かなりアドリブ入れたんだぜ。他の場面だったら、あんな無茶ぶりはまずしてこなかった。もっと綿密に指示出ししてるような場面でも、あのヒトは何も指示してこなかった。というか、指示する余裕もなかったはずだ。手下の手前でドラゴンにぶん殴られるようなヘマは、初めて見た」

「……」

「あんた、あのヒトの唯一の泣きどころかもしれねえぞ。
 俺様はこれ以上、面倒事を抱えたくないから、深くは聞かねえけど……そういう関係があるって周囲に知られたら、『よくないこと』が起こるかもしれねえ。気を付けろよ」

 化け狸は心からの忠告を送ってくれた。言わんとすることは俺もわかる。余計な弱みが漏れたら、裏社会によくある恨み嫉みに巻き込まれるってことだ。肝に命じておいた。

・続き:
https://hiroba.dqx.jp/sc/diary/127254852654/view/7794525/
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