檸檬の花が咲き頃である。
白くて、肉厚なしっかりした5弁の花。
花びらには柑橘類特有の油班があり、潰すと指の先にしばらく爽麗な香気が残る。
部屋に戻る度にジャスミンにも似た、ネロリより軽やかな品のいい香りが俺を日々の疲れや葛藤から解きほぐしてくれる。
照明を落とし、シャネルの5番よろしくレモンの香りだけを身に纏いながら、タンカレー・ラングプールをストレートで1ショット。
これが俺の日課だ。
翌日。
「檸檬が花開いてございます」
階下に住まう賢者様に、可憐な花の画像をお目に掛けるべくスマホを差し出すと…
ぎゃああぁー!
勝 手 に ス ワ イ プ す ん な や ー !
次の画像は昨夜のギリギリ★セクシー画像やんけ!(前回日誌参照)
ワタクシの可憐なピチレモンが見えたか見えなかったか…咄嗟にスマホを取り上げ、微笑み合うワタクシ達。
賢者様、コレがアナタの息子です(ダブルミーニング)。
画像1枚「だけ」表示してロックしてくれるアプリが欲すい。
スライドショー機能なんか自爆テロに等しい、確実に死ぬ。