しばらくして
その家の住人のレックス、ねこまどう、ホイミンが帰ってきました。
でも、自分たちの家のドアが開いています。
これはどうしたことでしょうか?
誰かが勝手に家の中に入ったのでしょうか?
そんないたずらをする動物はこの森の中にいませんでした。
三匹のまものは恐る恐る自分たちの家をのぞき込みました。
なかに入って見るとテーブルの上のお皿を誰かがさわったのか、スプーンが入れてありました。
「俺の大きなスープ皿を誰かさわったな。」
大きなレックスが大きな声でいいました。
「私の中くらいのスープ皿を誰かさわってるわ。」
中くらいのねこまどうが中くらいの声でいいました。
「ボクのスープ、誰かが全部たべちゃった。」
小さなホイミンが小さな声でいいました。
お皿の中にはスープがありませんでした。
やはり誰かが家の中に入ってスープを食べちゃったのです。
三匹のまものはあたりをうかがいました。
すると大きな椅子の上のクッションが床に落ちていました。
「誰かが俺の椅子にすわったな。」
大きなレックスが大きな声でいいました。
中くらいの椅子が倒れていました。
「誰かが私の椅子を倒したわ。」
中くらいのねこまどうが中くらいの声でいいました。
小さな椅子は座る所が抜けていました。
「ボクの椅子、誰かが壊しちゃった。」
小さなホイミンが泣き出しそうな声でいいました。
三匹のまものは、もしかしたら泥棒か、勇者がいるのかも知れないと思いました。
まだどこかに隠れているかも知れない。
三匹のまものはあちこちを探し、そして二階へそっとあがっていきました。
二階へ上がると、大きなベッドの枕がゆがんでいました。
「誰かが俺の枕を動かしたな。」
大きなレックスはむっとして言いました。
中くらいのベッドは掛け布団が落ちていました。
「誰かが私の布団をおとしたわ。」
中くらいねこまどうが困ったように言いました。
小さなホイミンは震えるような声で言いました。
「・・・ボクのベッドに誰かいる。」
小さなホイミンの言うように、小さなベッドには誰かが寝ていました。
三匹は恐る恐るベッドをのぞき込みました。
するとプクリポはパチッと目を開け、
のぞき込んでいる三匹のまものと目が会いました。
「きゃー!」と声を上げました。
小さなホイミンは「うわー!」と声を上げました。
中くらいのねこまどうも「ひー!」と声を上げました。
大きなレックスはみんなが大声を出すのでびっくりして「ぎゃー!」と声を上げました。
驚いて布団から逃げ出すと外へ飛び出し森の奥へと走って行きました。
三匹のまものは何が何だかわかりませんでした。
そしてそれ以来、そのプクリポを見る事はありませんでした。
三匹のまものは森の家でお行儀良く今も暮らしています。。。