今日は月が良く出ている。
まぶしいくらいの夜。
休日前であったこともあり、駅は人で溢れていた。
階段を降り、高架を抜けたあたりで、
まさか貴方から見つけてくるだなんて思ってもいなかったから
少し照れくさくなっていました。
こじんまりとした、洋食のお店はランプとテーブルに置かれたロウソクだけで暖かさがある光に溢れていました。
腕にナプキンを掛けた、背の高い、姿勢のピンとしたウエイターが、
一番奥のテーブルに案内してくれ、予約席のプレートを外すのと同時に
椅子を引いてくれた。アンティーク調というには失礼な椅子はおそらく綿を何度も詰めなおしたであろう、その心地はウエイターほどではないが背筋を伸ばせてくれる。
オーダーは決まっている。前にこの店を訪れたのはいつだったか。
逡巡しているうちに、スープがテーブルに運ばれてきた。
そこからは、非現実的な空間と時間に囲まれて、ああ、幸せってこのことだったのねと実感しました。
ふいに、窓の外に目をやると、春を待ちわびた桜がまばらに芽吹いていて
生命感をあらわにしていました。
食事を終え、家に向かう前に花屋の前を通りかかった。
そういえば、さっきのお店みたこともないけど、素敵な観葉植物がおいてあったな・・・・
後半へつづく