トリッシュの冒険日誌

急に降りだした雨が少し緩み、雲が風に押しやられ
日差しが大きな水溜りに映りこんだ。
むせ返るような蒸気があたりに立ち込めてきた。
その光景は「Dogdays」のＰＶの映像を思い出させた。

傘を買う必要というより、
その後持ち歩かなければいけないわずらわしさが
無くなり、「トーリ」はすこし安堵した。

変わってしまった渋谷駅での乗り換えに慣れるまで
1週間ほどかかったが、
銀座線への道は、そうたいした面倒を強いられることは無かった。
見慣れた街が少しずつ顔を変えていくのは当然だ。
そうやって街は生き続けていく。

始めてハイジングで家を一式揃えたとき、
近所の方が集って花火をしてくれたり。
その時のご近所さんも一人を除いて引っ越したり、
自分の殻に閉じこもったり、間逆の世界に飛び出したりと忙しい。

相変わらずのお隣さんが住むＳサイズの丸い家は毎週ごとに色を変え、
休みに戻ってきた時の目印になっていた。

花を毎回世話をしてくれることもあり
はなざわさんと名づけた彼女がほどなくチームに入ってくれてから
半年ほど経って、今は亡きチームリーダに代わって
いろいろとイベントを企画してくれた。

お花見、海水浴、花火。
どれもリアルでは遠ざかっていたイベントだｗ

それなりにチームの人数が多くなってきた頃、
誰と無しにオフ会の話をし始めた。
みんななかなかの手練だな。

だいたいの住まいはわかってはいたが、
まさかリーダが九州から東京まで来るほど乗り気なことに驚いて。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　心躍って。

目的はわからない。仮想のつながりを現実のつながりに。
うーん、こういうの深く考えないほうがいい。
お祭りなんだから。

ようやく1年、あっという間の1年
学年よりも長く付き合ったみんなが集まる。
東京在住の僕が幹事を申し出てた。

チームの名前ロータスエフェクト（自浄作用）の
ロータスがある場所でってことで
不忍池。

たいした意味は無いがこういうことこそ肝心だ。