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ガオー牙王

イッキュウ

[イッキュウ]

キャラID
: MO364-367
種 族
: エルフ
性 別
: 男
職 業
: 占い師
レベル
: 57

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イッキュウの冒険日誌

2025-05-04 10:17:43.0 2025-05-04 10:17:58.0テーマ:その他

光を継ぐ者達 第一章 光の戦士 第二話 三人の英雄

第二話 三人の英雄

リクがセリアを家に連れて帰ってからというもの、ティナとセリアは驚くほどすぐに打ち解けた。
セリアは持っていた絵本をひらき、優しい声で読み聞かせを始める。
ティナの小さな指が、真剣な眼差しで紙の上をなぞる。
一緒に掃除や料理まで手伝ってくれるセリアに、ティナはすっかり心を許していた。

夕暮れ、暖かい陽が部屋の中に差し込む頃、ふとセリアが話し出す。

「――遠い昔、三人の英雄が、この大陸を救ったのよ」

「えいゆう……?」

「そう。閃光の斧、震天の槌、賢哲の盾。彼らは義兄弟の誓いを立て、力を合わせて原始の獣を倒した。私は、そのうちの一人……賢哲の盾の子孫なの」

ティナの瞳がぱっと輝いた。
その光は、まるで胸の奥にあった小さな希望が、今、形を得たかのようだった。

「じゃあ……じゃあ、閃光の斧はお兄ちゃんだよ!」
ティナは弾かれたように顔を上げ、目を輝かせながら続けた。

「ティナ、見たの!夢でね、お兄ちゃんが光の中に立って、空から悪いものを追い払ってたの!」

セリアが驚いたように目を見開く。
自然と、その視線はリクの方へと向いた。

リクは困ったように、けれどどこか照れくさそうに微笑んだだけだった。

「……兄ちゃんは、ただの木こりだよ」

それでもセリアは、リクの手にそっと目を落とす。
硬く、分厚いその手のひら――無数の細かい傷と、ひび割れた皮膚。
それは何よりも雄弁に、彼の歩んできた道を語っていた。
重たい斧を振るい、泥にまみれ、誰にも褒められずとも働き続けた日々。
この手は、誰かを守るための手だ。

(……まさか)

心に浮かんだひとつの予感を、セリアは頭の片隅に追いやった。

***

帰り道、静かな村の空気に、異様な風が混じった。

ふと見上げた空――
流れる雲のすき間で、黒い影が蠢いているのに、セリアは気づく。

「……この気配、まさか……!」

視線の先で、夜空が、ゆっくりと裂けていった。

ーー闇は、静かにその口を開けた。
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